選択肢１ 建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、借地権の登記がなくても、その土地上の建物に借地人が自己を所有者と記載した表示の登記をしていれば、借地権を第三者に対抗することができる。

【答え】正しい

【解説】
「建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約」なので、土地の賃借人は、借地権を有します。そして、借地権が第三者に対抗するための要件は、「借地権の登記」もしくは「借地上建物の登記（表示登記でよい）」です。そのため、 「借地権の登記がなくても、その土地上の建物に借地人が自己を所有者と記載した表示の登記をしていれば、借地権を第三者に対抗することができる」ので正しいです。ちなみに、借地上の建物については、自分名義（借地権者と同一名義）でないと対抗要件を満たさないので注意しましょう。例えば、借地権者がＡ、借地上の建物の登記名義人がＢだと、借地権者Ａは、第三者に対抗できません。

選択肢２ 建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、建物が全焼した場合でも、借地権者は、その土地上に滅失建物を特定するために必要な事項等を掲示すれば、借地権を第三者に対抗することができる場合がある。

【答え】正しい

【解説】
登記済みの借地上の建物が滅失すると、借地権者は対抗力をなくしてしまいます。そのため、滅失した建物を特定するために必要な事項等を土地の上の見やすい場所に掲示すれば、借地権は、建物の滅失があった日から２年間は、第三者に対する対抗力を備えます。「掲示してから」ではないので注意しましょう！

選択肢３ 建物の所有を目的とする土地の適法な転借人は、自ら対抗力を備えていなくても、賃借人が対抗力のある建物を所有しているときは、転貸人たる賃借人の賃借権を援用して転借権を第三者に対抗することができる。

【答え】正しい

【解説】
「賃借人が対抗力のある建物を所有しているとき」とは、当該建物（借地上の建物）について、登記をしていることを意味します。この場合、土地の転借人は、賃借人（転貸人）の賃借権を援用することで、転借権を第三者に対抗することができます。よって、正しいです。簡単に言えば、転借人が賃借人の対抗力を使うイメージです！

選択肢４ 仮設建物を建築するために土地を一時使用として１年間賃借し、借地権の存続期間が満了した場合には、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るように請求することができる。

【答え】誤り

【解説】
一時使用目的で土地を借りる場合、たとえ、建物所有目的であっても、借地借家法は適用されません。そのため、建物買取請求権の適用もないので、本肢は誤りです。

まとめ 本問は、借地権の基本問題です。特に選択肢4はひっかけ問題なので、注意しましょう！