選択肢１ 意思表示が錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、表意者は、その意思表示を取り消すことができる旨

【答え】規定されていない

【解説】
錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができます（民法95条）。つまり、「錯誤は無効」ではなく、「取消すことができる」です。

選択肢２ 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる旨

【答え】規定されている

【解説】
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生じます（民法549条）。
例えば、贈与者Ａが、受贈者Ｂに「建物を無償であげるよ！」と伝えて、受贈者Ｂが「もらいます！と承諾した場合、贈与の効力が生じます。建物を引き渡して、贈与の効力が生じるわけではないので、注意しましょう。

選択肢３ 売買契約の目的物の種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、その程度に応じて、直ちに代金の減額を請求することができる旨

【答え】規定されていない

【解説】
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる（民法562条）。これは、契約不適合責任の責任追及権の一つである代金減額請求の内容です。
つまり、代金減額請求前に期間を定めて催告をし、その期間内に履行の追完がないときに代金減額請求できるのであって、直ちに代金減額請求をすることはできません。

選択肢４ 多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを約款と定義する旨

【答え】規定されていない

【解説】
本肢は「約款」に関する内容です。そもそも「約款」がどういうものかは民法で規定されていません。一方、「定型約款」については、「定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう」と定義されています（民法548条の2）。約款とは、簡単に言えば、事業者が不特定多数の者と同じ契約をする際に用いる定型的な契約条項です。

まとめ 本問は、条文に規定されているか否かの問題です。条文の規定問題は、本試験では出題されなくなりましたが、各選択肢の内容は重要なので、勉強しておきましょう！