選択肢１ Ｃは、売買契約の締結の当時、本件建物に不適合があることを知っていた場合、不適合の存在を知ってから１年以内に不適合について通知していれば、Ａに対して売買契約に基づく担保責任を追及することができない。（改正民法に伴い問題文を一部変更）

【答え】誤り

【解説】

引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない部分がある場合、買主Ｃは、売主Ａに対して担保責任を追及することができます。買主Ｃが悪意であっても関係ありません。
そして、担保責任を追及するためには、契約不適合を知ってから１年以内に売主に通知する必要があります。よって、本肢は、「不適合の存在を知ってから１年以内に不適合について通知していれば、Ａに対して売買契約に基づく担保責任を追及することができる」ので誤りです。 本問は関連ポイントがあるので、関連ポイントは個別指導で解説します！関連ポイントの一部は、無料講座でも解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢２ Ｂが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったために本件建物に基本的な安全性を損なう不適合がある場合には、当該不適合によって損害を被ったＣは、特段の事情がない限り、Ｂに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。

【答え】正しい

【解説】
居住者等の生命、身体又は財産を危険にさらすような不適合（建物としての基本的な安全性を損なう不適合）がある場合、不適合によって損害を被った買主Ｃは、建築業者Ｂに対して、（一般）不法行為責任に基づく損害賠償請求ができます。

（不法行為による損害賠償）
第719条　故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

選択肢３ ＣがＢに対して本件建物の不適合に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Ｃが不適合の存在に気づいてから１年以内である。

【答え】誤り

【解説】
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、被害者Ｃが損害及び加害者を知った時から3年間（生命・身体を侵害する場合、5年）、かつ、不法行為の時から20年間です。いずれかの期間を経過すると、権利行使できなくなります。

選択肢４ 本件建物に存在している不適合のために請負契約を締結した目的を達成することができない場合でなければ、ＡはＢとの契約を一方的に解除することができない。（改正民法に伴い問題文を一部変更）

【答え】誤り

【解説】
Ａ：注文者、建物所有者
Ｂ：請負人（建築業者）

建物の請負の場合、請負人Ｂが、債務を履行しない場合（契約に適合しない建物を引渡した場合）、注文者は相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、注文者は、契約解除ができます。つまり、不適合の度合いが小さく、契約目的を達成することができる場合であっても契約解除はできるので、「目的を達成することができない場合でなければ、ＡはＢとの契約を一方的に解除することができない」という記述は誤りです。

まとめ 本問は、請負契約の担保責任（契約不適合責任）に関する問題です。内容としてはそれほど難しくない一般的なレベルなので、合否の分かれ目になりそうな問題でしょう。これくらいの内容は、しっかり理解学習をして、得点できるようにしておきましょう！