宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
- Aは、買主Bとの間で建物の売買契約を締結する当日、Bが手付金を一部しか用意できなかったため、やむを得ず、残りの手付金を複数回に分けてBから受領することとし、契約の締結を誘引した
- Aの従業者は、投資用マンションの販売において、相手方に事前の連絡をしないまま自宅を訪問し、その際、勧誘に先立って、業者名、自己の氏名、契約締結の勧誘が目的である旨を告げた上で勧誘を行った。
- Aの従業者は、マンション建設に必要な甲土地の買受けに当たり、甲土地の所有者に対し、電話により売買の勧誘を行った。その際、売却の意志は一切ない旨を告げられたが、その翌日、再度の勧誘を行った。
- Aの従業者は、宅地の売買を勧誘する際、相手方に対して「近所に幹線道路の建設計画があるため、この土地は将来的に確実に値上がりする」と説明したが、実際には当該建設計画は存在せず、当該従業者の思い込みであったことが判明した。
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解答と解説
【解答】2
選択肢1 宅建業者Aは、買主Bとの間で建物の売買契約を締結する当日、Bが手付金を一部しか用意できなかったため、やむを得ず、残りの手付金を複数回に分けてBから受領することとし、契約の締結を誘引した 。
【答え】違反する
【解説】
手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為は、宅建業法で禁止されています。具体的には、下記行為です。
<手付について信用の供与に当たる行為(禁止行為)>
- 宅建業者が手付を貸し付けて契約すること
- 宅建業者が手付を後日支払うことを許して契約すること
- 宅建業者が手付の分割払いを許して契約すること
本肢は、手付の分割払いに当たるので、禁止行為に該当し、宅建業法違反です。
選択肢2 宅建業者Aの従業者は、投資用マンションの販売において、相手方に事前の連絡をしないまま自宅を訪問し、その際、勧誘に先立って、業者名、自己の氏名、契約締結の勧誘が目的である旨を告げた上で勧誘を行った。
【答え】違反しない
【解説】
勧誘を行う場合、勧誘に先立って、下記内容を告げずに勧誘を行うことは禁止されています。
- 宅建業者の商号又は名称
- 勧誘を行う者の氏名
- 勧誘をする目的である旨
本肢は、上記に該当しないので、宅建業法違反ではありません。相手方に事前の連絡をしないまま自宅を訪問することは、違反行為ではありません。つまり、飛び込み営業は禁止行為でないということです。
選択肢3 宅建業者Aの従業者は、マンション建設に必要な甲土地の買受けに当たり、甲土地の所有者に対し、電話により売買の勧誘を行った。その際、売却の意志は一切ない旨を告げられたが、その翌日、再度の勧誘を行った。
【答え】違反する
【解説】
契約を締結しない旨の意思や勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を表示したにもかかわらず、勧誘を継続することは禁止されています。本肢の「売却の意思は一切ない旨を告げられたが、その翌日、再度の勧誘を行った。」というのは、契約を締結しない旨の意思表示をしたにも関わらず、勧誘を継続しているので、宅建業法に違反します。
選択肢4 宅建業者Aの従業者は、宅地の売買を勧誘する際、相手方に対して「近所に幹線道路の建設計画があるため、この土地は将来的に確実に値上がりする」と説明したが、実際には当該建設計画は存在せず、当該従業者の思い込みであったことが判明した。
【答え】違反する
【解説】
宅地建物取引業者は、勧誘をするに際し、相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはいけません。本肢の「近所に幹線道路の建設計画があるため、この土地は将来的に確実に値上がりする」という内容は、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為に当たるので、宅建業法違反です。

まとめ 本問は、業務に関する禁止事項に関する出題です。条文の内容を覚えた上で、具体的にどのような内容かまで頭に入れておきましょう!選択肢は具体例の一つなので、具体例まで覚えておきましょう!
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