2023-10-26

宅建過去問平成27年（2015年）問7 問題解答と解説付き

債務者Ａが所有する甲土地には、債権者Ｂが一番抵当権（債権額2,000万円）、債権者Ｃが二番抵当権（債権額2,400万円）、債権者Ｄが三番抵当権（債権額4,000万円）をそれぞれ有しており、Ａにはその他に担保権を有しない債権者Ｅ（債権額2,000万円）がいる。甲土地の競売に基づく売却代金 5,400万円を配当する場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

ＢがＥの利益のため、抵当権を譲渡した場合、Ｂの受ける配当はO円である。
ＢがＤの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合、Ｂの受ける配当は800万円である。
ＢがＥの利益のため、抵当権を放棄した場合、Ｂの受ける配当は1,000万円である。
ＢがＤの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合、Ｂの受ける配当は1,000万円である。

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解答と解説

【解答】2

選択肢１債権者Ｂが一番抵当権（債権額2,000万円）、債権者Ｃが二番抵当権（債権額2,400万円）、債権者Ｄが三番抵当権（債権額4,000万円）、担保権を有しない債権者Ｅ（債権額2,000万円）。甲土地の競売に基づく売却代金 5,400万円。
ＢがＥの利益のため、抵当権を譲渡した場合、Ｂの受ける配当はO円である。

【答え】正しい

【解説】
宅建過去問平成27年（2015年）問7-1 ：抵当権の譲渡があった場合、優先弁債権がどうなるかを示した表です。

抵当権が設定された土地が競売によって売却された場合における「抵当権の譲渡がされる前の通常の配当」と、「ＢがＥに抵当権を譲渡した場合の配当」は上記の通りです。
ＢからＥに抵当権の譲渡がされると、Ｂが有している2,000万円の優先弁済権の範囲で、先にＥが優先弁済を受けることになります。そして、それでも余りがあれば、余りをＢが取ることになります。つまり、Ｅが先に2000万円の弁済を受けます。そうすると今回は、残りがないので、Ｂの配当は0円となります。よって、本肢は正しいです。抵当権の譲渡・抵当権の順位譲渡・抵当権の放棄・抵当権の順位放棄は考え方が分かれば簡単に解けます！細かい解説は個別指導で解説します！無料講座でも、考え方の一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢２債権者Ｂが一番抵当権（債権額2,000万円）、債権者Ｃが二番抵当権（債権額2,400万円）、債権者Ｄが三番抵当権（債権額4,000万円）、担保権を有しない債権者Ｅ（債権額2,000万円）。甲土地の競売に基づく売却代金 5,400万円。
ＢがＤの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合、Ｂの受ける配当は800万円である。

【答え】誤り

【解説】
宅建過去問平成27年（2015年）問7-2 ：抵当権の順位譲渡があった場合、優先弁債権がどうなるかを示した表です

抵当権が設定された土地が競売によって売却された場合における「抵当権の順位譲渡がされる前の通常の配当」と、「ＢがＤのために、抵当権の順位を譲渡した場合の配当」は上記の通りです。
そして、ＢからＤに抵当権の順位譲渡がされた場合の配当の計算の仕方は次の通りです。

「Ｂが有している2,000万円の優先弁済権」と「Ｄが有している1000万円の優先弁済権」を合計する。 ⇒2000万円＋1000万円＝3000万円となる
順位譲渡受けたＤから弁済してもらうので、Ｄが3000万円の弁済（配当）を受け、Ｅは１円も受領できません。

したがって、本問は誤りです。

選択肢３債権者Ｂが一番抵当権（債権額2,000万円）、債権者Ｃが二番抵当権（債権額2,400万円）、債権者Ｄが三番抵当権（債権額4,000万円）、担保権を有しない債権者Ｅ（債権額2,000万円）。甲土地の競売に基づく売却代金 5,400万円。
ＢがＥの利益のため、抵当権を放棄した場合、Ｂの受ける配当は1,000万円である。

【答え】正しい

【解説】
宅建過去問平成27年（2015年）問7-3 ：抵当権の放棄があった場合、優先弁債権がどうなるかを示した表です。

抵当権が設定された土地が売却された場合における、「抵当権の放棄がされる前の通常の配当」と、「ＢがＥのために、抵当権を放棄した場合の配当」は上記の通りです。
ＢがＥのために抵当権を放棄した場合の配当の計算の仕方は次の通りです。

「Ｂが有している2,000万円の優先弁済権」と「Ｅが有している0円の優先弁済権」を合計する。 ⇒2000万円＋0円＝2000万円となる
「抵当権を放棄した者」が持つ放棄前の優先弁済権を「放棄した者」と「放棄を受けた者」の債権額の割合に応じて分ける

2について、ＢとＥの債権額の割合は、Ｂ：Ｅ＝2000万円：2000万円＝1：1です。つまり、2000万円をＢとＥが半分ずつで分けます。
つまり、ＢもＥも1000万円ずつ弁済を受けます。したがって、本肢は正しいです。

選択肢４債権者Ｂが一番抵当権（債権額2,000万円）、債権者Ｃが二番抵当権（債権額2,400万円）、債権者Ｄが三番抵当権（債権額4,000万円）、担保権を有しない債権者Ｅ（債権額2,000万円）。甲土地の競売に基づく売却代金 5,400万円。
ＢがＤの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合、Ｂの受ける配当は1,000万円である。

【答え】正しい

【解説】
宅建過去問平成27年（2015年）問7-4 ：抵当権の順位放棄があった場合、優先弁債権がどうなるかを示した表です。

抵当権が設定された土地が売却された場合における、「抵当権の順位放棄がされる前の通常の配当」と、「ＢがＤのために、抵当権の順位放棄をした場合の配当」は上記の通りです。ＢがＤのために抵当権の順位放棄をした場合の配当の計算の仕方は次の通りです。

「抵当権の順位放棄をした者」と「抵当権の順位放棄を受けた者」が持つ順位放棄前の優先弁済権の合計を出す（順位譲渡と同じ） ⇒2000万円＋1000万円＝3000万円となる
上記合計額を債権額の割合に応じて分ける

2の「ＢとＤの優先弁済権の割合」は、Ｂ：Ｄ＝2000万円：4000万円＝1：2です。（ 1＋2＝3←これが分母となる）つまり、3000万円についてＢが1/3、Ｄが2/3の割合で分けます。したがって、Ｂの優先弁済権（配当）＝3000×1/3＝1000万円、Ｄの優先弁済権（配当）＝3000×2/3＝2000万円となります。よって、Ｂが受ける配当は1000万円なので、本肢は正しいです。抵当権の譲渡・抵当権の順位譲渡・抵当権の放棄・抵当権の順位放棄は考え方が分かれば簡単に解けます！細かい解説は個別指導で解説します！無料講座でも、考え方の一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！