同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
- マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
- マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
- マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
♪下記より解答を選んで下さい
正解!
1
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解答と解説
【解答】1(ウのみ正しい)
選択肢ア マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
【答え】誤り
【解説】
問8-1:敷金返還債務と建物の返還債務が同時履行の関係にない図です。.jpg)
「建物の明渡債務」と「敷金の返還債務」は同時履行の関係になく、賃借人の建物明渡しが先で、建物明渡を受けた後に、賃貸人は敷金を返還すれば足ります。つまり、賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係にありません。「同時履行の抗弁権」の詳細解説は、個別指導で解説します!無料講座でも、考え方の一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください!
選択肢イ マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
【答え】誤り
【解説】
問8-2-:代金返還債務と建物の返還債務が同時履行の関係にある図です。.jpg)
売買契約が債務不履行を理由に解除された場合、売主と買主は原状回復義務を負います。具体的には、売主は代金返還債務を負い、買主は目的物の返還債務を負います。この2つの債務は同時履行の関係に立ちます。よって、本肢は誤りです。
選択肢ウ マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
【答え】正しい
【解説】
問8-3:代金支払債務と移転登記債務は同時履行の関係にある図です。.jpg)
売買契約を締結した場合、「売主の目的物引渡債務及び所有権移転登記に協力する債務」と「買主の売買代金支払債務」とは、同時履行の関係に立ちます。よって、正しいです。売主は、代金の支払いを受けると同時に、マンションを引き渡し、かつ、所有権を買主に移転する協力をしなければなりません。

まとめ 同時履行の関係、同時履行の抗弁権については、内容的には難しくないので、過去問を使いながら具体例を頭に入れておきましょう。宅建試験で出題されたら得点しましょう!
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