選択肢１
ケース①：期間を50年とする甲土地の賃貸借契約
ケース②：期間を15年とする甲土地の賃貸借契約
賃貸借契約が建物を所有する目的ではなく、資材置場とする目的である場合、ケース①は期間の定めのない契約になり、ケース②では期間は15年となる。 

【答え】誤り

【解説】
資材置場とする目的である場合、土地の賃貸借契約は民法が適用されます。そして、土地の賃貸借契約については、民法では、最長期間を50年と定めています。そのため、ケース①もケース②も、期間は50年以下なので、定めた期間が契約期間となります。よって、ケース①の場合、期間は50年、②の場合は期間15年となります。 よって、ケース①が誤りです。

選択肢２
ケース①：期間を50年とする甲土地の賃貸借契約
ケース②：期間を15年とする甲土地の賃貸借契約
賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①の期間は30年となり、ケース②の期間は15年となる。 

【答え】誤り

【解説】
建物の所有を目的とした土地の賃貸借については、借地借家法が適用されます。 借地借家法における借地権の期間は、最短30年で、30年よりも短い期間を定めた場合、30年に延長されます。そして、ケース①では、期間50年なので、そのまま50年となります。ケース②では、期間が15年なので、30年より短いです。そのため、契約期間は30年に延長されます。 よって、ケース②が誤りです。

選択肢３
ケース①：期間を50年とする甲土地の賃貸借契約
ケース②：期間を15年とする甲土地の賃貸借契約
賃貸借契約が居住の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを書面で定めても無効であり、期間は30年となる。 

【答え】正しい

【解説】
建物の所有を目的とした土地の賃貸借については、借地借家法が適用されます。そして、ケース①もケース②も、契約の更新がないことを書面で定めているので、定期借地権となります。 そして、「居住の用に供する建物（居住用建物）」なので、事業用定期借地権ではありません。よって、一般定期借地権と考えることができます。 一般定期借地権については、期間を50年以上で定めなければなりません。 もし、50年未満の場合は、普通借地権となります。
ケース①では、期間50年なので、契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効です。よって、この点は正しいです。
ケース②では、期間が15年なので、契約の更新がないことを書面で定めても無効となり、普通借地権となります。したがって、契約期間は30年に延長されます。よって、この点も正しいです。 したがって、本肢は、正しいです。

選択肢４
ケース①：期間を50年とする甲土地の賃貸借契約
ケース②：期間を15年とする甲土地の賃貸借契約
賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。 

【答え】誤り

【解説】
本肢は、理解すべき内容です。理解の仕方については、個別指導で解説します！
賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的の場合、事業用定期借地権の要件を満たせば、事業用定期借地権となります。

1. 期間を10年以上50年未満で定めること
2. 公正証書で契約すること

ケース①は期間50年なので、1の要件を満たしません。（50年未満は50年を含まないから） よって、契約の更新がないことを公正証書で定めた場合でも事業用定期借地権は、無効です。 ただし、期間50年なので、書面で定めれば一般定期借地権としては有効です。 つまり、「ケースは①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効」なので、正しいです。

ケース②は期間15年で、公正証書で定めているので、事業用定期借地権の要件を満たしています。 よって、「ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である」という記述は誤りです。 更新がないことを公正証書で定めれば有効です。よって、本肢は誤りです。

まとめ 本問は、理解学習勉強法を使っていない方は、間違える可能性がある問題です。内容的には基本的な内容ですが、応用問題です。基本知識を使えば解ける問題ですが、問題の状況を複雑にして難しているだけです。こういった応用問題も理解学習勉強を使えば解けるようになるので、勉強法に意識を向けて勉強をしていきましょう！