2024-03-23

宅建合格するための復習の仕方

宅建合格のためには、復習が欠かせません。それは誰も分かっていると思います。しかし、どのような方法が効果的か分からず、悩んでいる受験生も多いはずです。そこで、科学的根拠により効果が認められた復習法をご紹介いたします。「復習を制する者は宅建を制する!」あなた自身にあった復習の仕方、復習サイクルを見つけてください。

復習の目的

復習の目的は、一言でいえば、「頭に入れるべきこと」を「記憶に残すこと」です。「頭に入れるべきこと」とは、大きく分けて「暗記すべきこと」と「理解すべきこと」の2つがあります。

「暗記すべきこと」とは、「数字」や「手続(流れ)」を指します。例えば、数字でいうと、「宅建業法の罰則規定」や「権利関係の時効期間」等です。手続(流れ)でいうと、「建築確認の流れ」や「営業保証金や弁済業務保証金の還付の流れ」等です。こういった部分が暗記部分であり、それほど理解は必要ありません。そのまま覚えましょう。

一方、「理解すべきこと」は、一言でこういった部分と言えないですが、「その条文が作られた背景や理由」が分かりやすく、宅建試験に出題されるポイントとなっている部分と言えます。例えば、「法定代理において、本人が破産した場合、代理権は消滅する」というルールがあります。これには理由があります。法定代理といって思い浮かぶのが、「未成年者の親」と「未成年者の子」の関係です。「未成年者の親が法定代理人」で、「未成年者の子が本人」です。本人である「未成年者の子」が17歳と仮定して、破産した場合、親の代理権が消滅するかを考えます。もし、親の代理権が消滅すると仮定したら、「未成年者の子」を保護する人がいなくなってしまいます。「未成年者の子」が破産したのであれば、より一層保護すべきですよね!?だから、「法定代理人(親)の代理権は消滅しない」というルールになっています。これが「理解すべき部分」です。

「理解すべき部分」まで丸暗記をしようとしたら、覚える量が莫大となり、結果的に覚えきれません。そのため、「暗記部分」と「理解部分」は分けて勉強をしていく必要があります。

復習のタイミング

バラード=ウィリアムズ現象

心理学者の「バラード博」と「ウィリアムズ」が、小学生に3~4行の詩を覚えさせ、2つのグループに分けて、7日後にどちらがより覚えているかを実験しました。

A:授業が終わった直後に復習をするグループ
B:翌日になってから復習をするグループ

【実験結果】
すぐに復習をしたAのグループより、翌日に復習を行なったBのグループのほうが、より多くの内容を覚えていた。つまり、「勉強した直後に復習」をするよりも、「翌日、復習」した方が、復習効果が高いということです。

2つの復習の仕方

日本女子大学の竹内龍人教授(実験心理学)は、復習の仕方を2つに分けて考えています。

1.短期間で集中的に「復習」する「集中学習」
2.一定の期間を空けて復習する「分散学習」

【実験結果】
「集中学習」は、忘れる速度が速く、「分散学習」は忘れる速度が遅く、長い間覚えていられる。ここから分かるように、日ごろの勉強では「分散学習」を用いて、試験直前期は「集中学習」をすることがよいことが分かります。試験直前期は、長期間覚えておく必要がないため、できるだけ詰め込むということです。では、具体的に、どれくらいの間隔で復習をするのが効果的なのか?

復習はいつ行うのが効果的か

ポーランドの研究者ピョートル・ウォズニアックの論文によれば、下記タイミングで復習を行うのが効果的と結論づけています。

復習1回目:1~2日後に行なう
復習2回目:7日後に行なう
復習3回目:16日後に行なう
復習4回目:35日後に行なう
復習5回目:62日後に行なう

上記は細かすぎるので、おおよそ下記のような復習タイミングでよいでしょう。

復習1回目:翌日行なう
復習2回目:1週間後に行なう
復習3回目:2週間後に行なう
復習4回目:1か月後に行なう
復習5回目:2か月後に行なう

ただ、実際のところ、宅建試験では、試験日まで1年以内という方が多いです。そして、できれば、過去問は10年分は勉強していただきたいです。そうすると、上記のような間隔で5回も復習する計画を立ていては、本試験に間に合わない、ということもあります。

そのため、上記は一つの参考資料と思って、あなたにあった復習計画を立てるのがよいでしょう。

思い出そうとする努力

復習をするとき、多くの方が「テキストや参考書を繰り返し読む」「ラインマーカーを引く」「ノートにまとめる」という方法を取ります。もちろん、このやり方が悪いとは言いませんが、復習の効果としては小さいです。
より効果がある方法は「勉強した内容を思い出そうと努力すること」です。

下記は、2011年にパデュー大学教授ジェフリー・カーピキ氏とニールセン氏らによって発表され、Scienceに掲載された論文の要約です。

1.一定の期間で読むだけ
2.繰り返し読む
3.読む+概念図を作る学習
4.読む+テスト

上記4つの学習方法で学習したときの一週間後のテストの点数として、どれが一番高いかを実験した結果、「読む+テスト」が一番点数が高かったのです。テストによる学習とは、「覚えた内容を思い出す」という勉強法ということです。復習の質を上げるために、具体的に、問題集を解くというのは、復習の効果を高めるために非常によいことが分かります。

なお、メンタリストDaiGo氏も、学んだ内容を「想起するだけ」でも、長期記憶に定着する確率が50~70%上がると言っています。問題を解きながら、勉強した内容「思い出す」習慣をつけるといいでしょう。

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