選択肢１ 当該建物が新築戸建住宅である場合、宅地建物取引業者でない買主Bの売買を代理する宅地建物取引業者C社との間で当該契約締結を行うに際して､宅建業者A社が当該住宅の担保責任を負う期間についての特約を定めないこと。

【答え】違反しない

【解説】
37条書面の記載事項について、担保責任（契約不適合責任）の内容は、定めた場合のみ記載すればよい事項（任意的記載事項）となっています。つまり、担保責任については、定めても定めなくても構いません。ちなみに、もし、定めない場合、契約不適合責任を負う期間は民法の規定に従って、「不適合を知ってから５年、または引渡してから10年」となります。

選択肢２ 当該建物が中古建物である場合、宅地建物取引業者である買主Dとの間で、「中古建物であるため、宅建業者A社は、担保責任を負わない」旨の特約を定めること。

【答え】違反しない

【解説】
本肢は、売主が宅建業者で、買主が宅建業者なので、８種規制の適用（担保責任の特約制限）はありません。つまり、本肢のような「担保責任を排除する」特約も有効です。

選択肢３ 当該建物が中古建物である場合､宅地建物取引業者でない買主Eとの間で､「宅建業者A社が担保責任の通知期間は、売買契約締結の日にかかわらず引渡しの日から2年間とする」旨の特約を定めること。

【答え】違反しない

【解説】
担保責任の通知期間は、民法では、「契約不適合をしてから１年以内」にしなければ、責任追及できないルールとなっています。この点について、宅建業法では、「引渡しの日から２年」よりも長い期間で特約することは、有効としています。よって、本肢は、「引き渡しから２年間とする旨の特約」なので、宅建業法に違反しません。この点は、ヒッカケポイントがあります。担保責任のルールを理解していれば、ひっかけ問題にもひっかからなくなるので、理解しましょう！理解すべき内容の一部については、無料講座で解説します！

選択肢４ 当該建物が新築戸建住宅である場合、宅地建物取引業者でない買主Fとの間で、「Fは、宅建業者A社が担保責任を負う期間内であれば、損害賠償の請求をすることはできるが、契約の解除をすることはできない」旨の特約を定めること。

【答え】違反する

【解説】
民法では、目的物に契約不適合があった場合、契約解除ができ、損害が生じた場合は、契約解除に加えて損害賠償請求もできるとしています。そして、本肢のように、「損害賠償の請求をすることはできるが、契約の解除をすることはできない旨」の特約は、民法より買主に不利な特約は無効となり、宅建業法違反にもなります。

まとめ 本問は８種制限の内容です。特に選択肢３は、理解すべき内容です。理解していないと、宅建の本試験で失点する可能性が高くなります。単に過去問や模試で得点できている方も注意しましょう！