宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
- Aが種類又は品質に関する契約不適合責任の通知期間を売買契約に係る宅地の引渡しの日から3年間とする特約は、無効である。(改正民法に伴い問題文を一部変更)
- Aは、Bに売却予定の宅地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため、甲市に払下げを申請中である。この場合、Aは、重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し、その旨をBに説明すれば、売買契約を締結することができる。
- 「手付放棄による契約の解除は、契約締結後30日以内に限る」旨の特約を定めた場合、契約締結後30日を経過したときは、Aが契約の履行に着手していなかったとしても、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
♪下記より解答を選んで下さい
正解!
3
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解答と解説
【解答】3(すべて誤り)
選択肢ア 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合、Aが種類又は品質に関する契約不適合責任の通知期間を売買契約に係る宅地の引渡しの日から3年間とする特約は、無効である。
【答え】誤り
【解説】
宅建業者が自ら売主として、非宅建業者に不動産を売却する場合を考えます。この売買契約において、契約不適合責任に関する通知期間について特約する場合、原則、民法の内容よりも買主に不利となる特約をしてはなりません。ただし、例外として、「引き渡しから2年」以上となる特約は有効です。 本肢は「引き渡しから3年」となっており、例外に当てはまり、買主にとっては有利なので有効な特約となります。 この点は、理解すべき部分なので、個別指導で解説します。無料講座でも、このような整理の仕方についても一部解説しているので、ぜひご利用ください。
選択肢イ 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合において、Aは、Bに売却予定の宅地の一部に甲市所有の旧道路敷が含まれていることが判明したため、甲市に払下げを申請中である。この場合、Aは、重要事項説明書に払下申請書の写しを添付し、その旨をBに説明すれば、売買契約を締結することができる。
【答え】誤り
【解説】
問題文の「払下げ」とは、甲市(国等)がB(民間)に土地を売り渡すことを指します。そして、宅建業者Aが非宅建業者Bに売却しようとしている土地の一部は「甲市所有の土地」です。この土地を売却するには、「甲市所有の土地」について売買契約(予約も含む)を締結していないといけません。 本肢は、払い下げ申請中と記載されています。 そして、申請中ということは、宅建業者Aは、まだ「甲市所有の土地」を取得していません。 つまり、「他人物」です。宅建業者は、自己の所有に属しない宅地・建物(他人物)について、自ら売主となる売買契約を締結することができません。 したがって、払下申請中である旨を説明したとしても、売買契約を締結することはできないので、本肢は、誤りです。
選択肢ウ 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結する場合において、「手付放棄による契約の解除は、契約締結後30日以内に限る」旨の特約を定めた場合、契約締結後30日を経過したときは、Aが契約の履行に着手していなかったとしても、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができない。
【答え】誤り
【解説】
民法では、買主の手付放棄による契約解除は、売主が履行に着手するまでに行うこと、となっています。 本肢は、「手付放棄による契約の解除は、契約締結後30日以内に限る」というのは、売主業者が履行に着手していなくても、30日経過によって、手付放棄による解除ができなくなるので、買主にとって不利な特約です。よって、この特約は無効です。したがって、契約締結後30日を経過後でも、売主業者Aが履行に着手していない間であれば、買主Bは手付を放棄して契約解除することができます。よって、誤りです。

まとめ 本問は8種制限に関する問題です。すべて基本問題ですが、ひっかけ問題に引っかかる方も多いです。また、ルールをきちんと理解できていない方も多いです。この辺りが合否の分かれ目になります。こういった問題はきちんと理解学習を実践して、頭に入れておきましょう!理解学習は、
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