選択肢１ 重要事項説明のため、明日お宅にお伺いする当社の者は、宅建士ではありませんが、当社の最高責任者である代表取締役ですので、重要事項説明をする者として問題ございません。 

【答え】違反する

【解説】
重要事項説明ができるのは宅建士だけです。 宅建士でない代表取締役は、たとえ代表取締役（社長）であっても、重要事項説明はできません。  したがって、本肢は問題があるので、宅建業法違反です！

選択肢２ この物件の契約条件につきましては、お手元のチラシに詳しく書いてありますので、重要事項説明は、内容が重複するため省略させていただきます。ただ、重要事項説明書の交付は、法律上の義務ですので、入居後、郵便受けに入れておきます。 

【答え】違反する

【解説】
35条書面の記載事項は、たとえ広告に記載されていたとしても、35条書面（重要事項説明書）に記載して説明しなければなりません。したがって、本肢のように広告と重複する内容を省略することは、宅建業法違反です。さらに、重要事項説明については、宅建士証を提示した上で説明しなければならないので、郵便受けに入れるだけでは、宅建業法違反となります。

選択肢３ この物件の担当である宅建士が急用のため対応できなくなりましたが、せっかくお越しいただきましたので、重要事項説明書にある宅建士欄を訂正の上、宅建士である私が記名押印をし、代わりに重要事項説明をさせていただきます。私の宅地建物取引士証をお見せします。 

【答え】違反しない

【解説】
重要事項説明をする宅建士は、専任の宅建士でなくてもよいです。パートの宅建士でも構いません。 つまり、「専任の宅建士」の必要もなければ「37条書面に記名押印した宅建士」の必要もありません。 本問のように重要事項説明書の宅建士欄を訂正して別の宅建士が、宅建士証を示して、重要事項説明しても違反ではありません。

選択肢４ この物件は人気物件ですので、申込みをいただいた時点で契約成立とさせていただきます。後日、重要事項説明書を兼ねた契約書を送付いたしますので、署名押印の上、返送していただければ、手続は全て完了いたします。 

【答え】違反する

【解説】
重要事項説明は、契約締結前に行う必要があります。 本肢の場合、申込をした時点で契約締結となり、その後、重要事項説明をする流れになっているので宅建業法違反です。 そもそも重要事項説明は、物件を借りる人買う人が契約前に「こんな物件でも借りるか？買うか？」を確認するためのものです。 契約締結後に説明しても意味がありません。 しかも、本問は重要事項説明書を送付するだけで、説明していない点も宅建業法違反です。

まとめ 35条書面の記載事項、また、重要事項説明に関するルールは、宅建試験においては最頻出ポイントです。宅建業法、宅建業法施行令、宅建業法施行規則、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方は、最低限確認しておきましょう！