選択肢１ 宅地建物取引業者Ａ（甲県知事免許）は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、当該住宅が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合であっても、その不適合を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した。この場合、Ａは、乙県知事から指示処分を受けることがある。 

【答え】正しい

【解説】
指示処分や業務停止処分は、免許権者だけでなく、業務地の知事も行うことができます。本肢は、宅建業者Ａは自ら売主として、乙県内の建物の売買契約において、担保責任を負わない旨の特約をすることは、宅建業法違反となる場合があり、Ａは、乙県知事（業務地の知事）から指示処分や業務停止処分を受ける場合があります。よって、正しいです。この問題は、ややこしい問題ですが、気付きますか？気づけたら、受験生の中でも１歩前にいます。さらに、本肢が正しい理由まで分かれば、理解学習がきちんとできている証拠です。非常に重要な問題なのでこの点は個別指導で解説します。

選択肢２ 甲県に本店、乙県に支店を設置する宅地建物取引業者Ｂ（国土交通大臣免許）は、自ら売主となる乙県内におけるマンションの売買の業務に関し、乙県の支店において当該売買の契約を締結するに際して、代金の30％の手付金を受領した。この場合、Ｂは、甲県知事から著しく不当な行為をしたとして、業務停止の処分を受けることがある。 

【答え】誤り

【解説】
指示処分や業務停止処分は、免許権者だけでなく、業務地の知事も行うことができます。本肢では、宅建業者Ｂの免許権者は「国土交通大臣」、業務地は乙県なので、業務地の知事は「乙県知事」です。そのため、甲県知事は免許権者でも業務地の知事でもありません。したがって、Ｂが著しく不当な行為をしたとしても、甲県知事は、Ｂに対して業務停止処分をすることはできません。よって、誤りです。

選択肢３ 宅地建物取引業者Ｃ（甲県知事免許）は、乙県内に所在する土地の売買の媒介業務に関し、契約の相手方の自宅において相手を威迫し、契約締結を強要していたことが判明した。この場合、甲県知事は、情状が特に重いと判断したときは、Ｃの宅地建物取引業の免許を取り消さなければならない。 

【答え】正しい

【解説】
業務停止処分事由に該当し、情状が特に重い場合、必ず免許取消処分を受けます（必要的免許取消処分という）。本肢の「宅建業に係る契約を締結させ、又は宅建業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため相手方等を威迫する行為」は業務停止処分事由に該当するので、情状が特に重い場合、Ｃは必ず免許取消しになるので、本肢は正しいです。そして、免許取消処分が行えるのは免許権者だけなので、この点は注意しましょう！

選択肢４ 宅地建物取引業者Ｄ（国土交通大臣免許）は、甲県内に所在する事務所について、業務に関する帳簿を備えていないことが判明した。この場合、Ｄは、甲県知事から必要な報告を求められ、かつ、指導を受けることがある。 

【答え】正しい

【解説】
国土交通大臣は、すべての宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができます。また、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができます。したがって、Ｄは、甲県内に所在する事務所で、帳簿を備え付けていないので、甲県知事から「報告を求められたり、指導を受けること」があります。 よって、本肢は正しいです。注意点については、個別指導で解説します。注意点が、今後、本試験に出そうな部分なので、一緒に頭に入れておきましょう！

まとめ 本問は、監督処分などに関する問題です。監督処分は内容としては簡単なので、必ず頭に入れておきましょう！