選択肢１ Ｂは、甲土地は将来地価が高騰すると勝手に思い込んで売買契約を締結したところ、実際には高騰しなかった場合、法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤であり、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、本件売買契約は無効となる。（改正民法に伴い問題文を一部変更）

【答え】誤り

【解説】「法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」とは「動機の錯誤」を意味します。そして、「①動機の錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき」、かつ、「表意者Ｂに重大な過失がないとき」、錯誤による取消しができます。 本肢は、「無効」となっているので誤りです。

選択肢２ Ｂは、第三者であるＣから甲土地がリゾート開発される地域内になるとだまされて売買契約を締結した場合、ＡがＣによる詐欺の事実を知っていたとしても、Ｂは本件売買契約を詐欺を理由に取り消すことはできない。

【答え】誤り

【解説】

第三者の詐欺では、相手方が悪意又は有過失のときに限り、取り消すことができます。一方、、売主Ａが詐欺について過失なく知らなかった場合（＝善意無過失の場合）は、売主Ａを保護すべきなので、詐欺を受けたＢは取消すことができません。 選択肢３ ＡがＢにだまされたとして詐欺を理由にＡＢ間の売買契約を取り消した後、 Ｂが甲土地をＡに返還せずにＤに転売してＤが所有権移転登記を備えても、 ＡはＤから甲土地を取り戻すことができる。

【答え】誤り

【解説】

ＡＢ間の契約は取り消されているため、契約は契約時にさかのぼって（遡及的に）無効となります。そのため物権はＡに戻っているが、その後、ＢがＣに売却しているため、 所有権は 「Ａ→Ｂ」に後、「Ｂ→Ａ」となり、「Ｂ→Ｃ」となります。 つまり、Ｂを中心に「Ａ」と「Ｃ」に所有権が移転していることになります。 これを、二重譲渡の関係といいます。 二重譲渡の関係では、先に登記をした方が、権利を主張できます（勝ち）。つまり、本肢では第三者Ｄが登記を備えているため、Ｄが優先し（勝ち）、ＡはＤから土地を取り戻すことができません。

選択肢４ ＢがＥに甲土地を転売した後に、ＡがＢの強迫を理由にＡＢ間の売買契約を取り消した場合には、ＥがＢによる強迫につき知らなかったときであっても、ＡはＥから甲土地を取り戻すことができる。

【答え】正しい

【解説】

  

強迫を受けて契約をした者は、第三者の善意・悪意、過失の有無、登記の有無に関係なく、第三者に対抗できます。 よって、強迫を受けたＡは、第三者Ｅから土地を取り戻すことができます。

まとめ 全て基本問題です！この問題を丸暗記している方は、本試験でひっかけ問題が出題されたときに失点してしまいます。これが合否の分かれ目になります。 勉強した分だけ実力を上げるためにも、しっかり理解をしていきましょう！