選択肢ア 宅建業者A社は売主Bから土地付中古別荘の売却の代理の依頼を受け、宅建業者C社は買主Dから別荘用物件の購入に係る媒介の依頼を受け、BとDの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。
A社がBから受領する報酬の額によっては、C社はDから報酬を受領することができない場合がある。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者A社は売買契約の代理業者であり、宅建業者C社は、売買契約の媒介業者です。それぞれの受領できる報酬額の上限を考えます。

1. Aの報酬の上限：
   （300万円×4％＋2万円）×1.1×2＝30万8000円
2. Cの報酬の上限：
   （300万円×4％＋2万円）×1.1＝15万4000円
3. AとCの報酬を合計した金額の上限：
   30万8000円

もし、Aが、報酬額の上限である30万8000円を受領した場合、3の条件から、CはDから１円も報酬を受領することができなくなります。よって、本肢の「A社がBから受領する報酬の額によっては、C社はDから報酬を受領することができない場合がある」というのは、正しいです。
もし、報酬額の計算が苦手であれば、個別指導で詳しく解説します。報酬額の計算問題は、ルールが頭に入れば必ず得点できるので、出題されたラッキー問題と思って得点源にしましょう！

選択肢イ 宅建業者A社は売主Bから土地付中古別荘の売却の代理の依頼を受け、宅建業者C社は買主Dから別荘用物件の購入に係る媒介の依頼を受け、BとDの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。
A社はBから、少なくとも154,000円を上限とする報酬を受領することができる。

【答え】正しい

【解説】
選択肢１の解説の条件１のとおり、宅建業者Cが、報酬額の上限の15万4000円が受領しても、宅建業者Aは15万4000円を上限として報酬を受領できます。よって、本肢は正しいです。

選択肢ウ 宅建業者A社は売主Bから土地付中古別荘の売却の代理の依頼を受け、宅建業者C社は買主Dから別荘用物件の購入に係る媒介の依頼を受け、BとDの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。
A社がBから100,000円の報酬を受領した場合、C社がDから受領できる報酬の上限額は208,000円である。

【答え】誤り

【解説】
選択肢１の解説の条件２のとおり、宅建業者Cが受領できる報酬額の上限は、15万4000円です。よって、本肢は誤りです。

選択肢エ 宅建業者A社は売主Bから土地付中古別荘の売却の代理の依頼を受け、宅建業者C社は買主Dから別荘用物件の購入に係る媒介の依頼を受け、BとDの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。
A社は、代理報酬のほかに、Bからの依頼の有無にかかわらず、通常の広告の料金に相当する額についても、Bから受け取ることができる。

【答え】誤り

【解説】
広告費用については、依頼主からの広告の申し出があった場合のみ、請求及び受領できます。依頼主からの申し出がなく、請求するだけでも宅建業法違反になります。受領していなくても請求するだけで違反になるので注意しましょう！

まとめ 宅建試験における「報酬額の上限を計算する問題」は、ルールさえ覚えてしまって、使えるようになれば、どんな問題でも解けるようになります。そのため、掛け算が苦手でなければ、ルールをきちんと整理して覚えましょう！