選択肢１ Ｂが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であっても、相続から20年間甲土地を占有したときは、Ｂは、時効によって甲土地の所有権を取得することができる。 

【答え】誤り

【解説】

相続人Ｂが時効によって土地を取得するためには、取得時効の要件である所有の意思を持って占有する必要があります。本肢をみると、相続人Ｂは甲土地の所有者Ａに対して賃料を支払っています。賃料を支払っているということは、相続人Ｂに所有の意思があるとは言えません。よって、相続人Ｂは時効取得することはできません。本肢は関連ポイントがあります。ひっかけ問題でも出題されやすい部分なので、しっかり関連ポイントを対比して頭に入れておきましょう！関連ポイントについては、個別指導で解説します！無料講座でも、関連ポイントの一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！
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選択肢２ Ｂの父が１１年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Ｂが相続によりその占有を承継し、引き続き９年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Ｂは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。 

【答え】誤り

【解説】

Ｂの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Ｂが引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有した。この場合、Ｂは、Ｂの父の占有期間を承継して（引き継いで）、合計20年間占有したことになります。「Ｂの父」が占有開始時に、善意無過失であろうが、悪意であろうが、有過失であろうが関係なく、20年占有し続ければ、時効期間が満了（時効が完成）するので、Ｂは時効取得できます。したがって、本肢は誤りです。

選択肢３ Ａから甲土地を買い受けたＣが所有権の移転登記を備えた後に、Ｂについて甲土地所有権の取得時効が完成した場合、Ｂは、Ｃに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。 

【答え】正しい

【解説】

問題文の流れは下記の通りです。

1. A所有の土地について、Bが平穏かつ公然に占有
2. AがCに売却し、Cが登記する
3. Bの時効が完成する

Ｃは、Ｂの時効完成前に（3の前に）、Ａから甲土地を購入して所有権移転登記を備えています（2）。そのため、Ｃは、時効完成前の第三者です。時効完取得者Ｂは、登記を備えていなくても、登記を備えたＣに対して、時効取得（所有権）を主張できます。 したがって、「Ｂは、Ｃに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる」という記述は正しいです。本肢は、理解すべき内容なので、理解すべき内容は、個別指導で解説します！無料講座でも、理解学習の一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢４ 甲土地が農地である場合、ＢがＡと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していても、農地法の許可がなければ、Ｂは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない。 

【答え】誤り

【解説】

土地の賃借権も一定要件を満たせば、時効取得できます。これは、所有権を時効取得しているわけではないので注意しましょう！そして、農地の賃借人Ｂが、農地の賃借権を時効取得する場合、農地法３条許可は不要です。農地を時効取得するためには、ＢがＡと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していることが要件です。つまり、本肢は「農地法の許可がなければ、Ｂは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない」という記述が誤りです。 本肢は理解をしていれば解ける問題です。理解すべき内容は、個別指導で解説します！無料講座でも、理解学習の一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

まとめ 取得時効の問題は、覚えるべき部分は少ないです。また、難しい内容であっても理解すれば、頭に入れやすいですし、得点もしやすいです。理解部分をしっかり理解して、取得時効の問題は得点源にしましょう！