選択肢１ ＡのＢに対する債権に譲渡禁止の特約があり、Ｃがその特約の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Ｃからさらに債権の譲渡を受けた転得者Ｄがその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、ＢはＤに対して特約の存在を対抗することができる。 

【答え】誤り

【解説】
 まず、「悪意」とは、譲渡禁止特約が付いていることを知っていることを意味します。そして、ＡＢ間で譲渡禁止特約をしているにも関わらず、ＡはＣ（悪意）に債権を譲渡し、さらにＤ（善意無重過失）に譲渡しています。 債権譲渡禁止特約は、債権の譲受人が特約の存在を知らず（善意）、また、知らないことに重過失がない場合（無重過失）には、債務者Ｂは債権の譲受人に対して、無効を主張することができません。 したがって、Ｂは債権の譲受人であるＤに対して譲渡禁止特約について対抗することはできません。 この点は、理解すべき部分なので個別指導で解説します！

選択肢２ ＡがＢに債権譲渡の通知を発送し、その通知がＢに到達していなかった場合には、Ｂが異議をとどめない承諾をしても、ＢはＣに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。 

【答え】誤り

【解説】
まず、債権の譲受人Ｃが、債務者Ｂに、対抗するための要件（金を返せと主張するための要件）は下記のいずれかに該当する場合です。

1. 譲渡人Ａから債務者Ｂへの通知
2. 債務者Ｂが債権譲渡を承諾

今回、Ａが発送した債権譲渡の通知は、まだＢに到達していないため、1の要件は満たしません。しかし、債務者Ｂは、債権譲渡について承諾をしているので2の要件を満たしています。したがって、譲受人Ｃは債権譲渡の対抗要件を備えているので、ＢはＣに対して債務の弁済を拒否することができません。

選択肢３ ＡのＢに対する債権に譲渡禁止の特約がなく、Ｃに譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、ＡからＣへの債権譲渡は有効である。 

【答え】正しい

【解説】
まだ発生していない将来の取引に関する債権を将来債権といいます。将来債権であっても、取引の種類、金額、期間などにより特定されていれば、債権譲渡の対象にすることができます（判例）したがって、ＡからＣへの債権譲渡は有効です。  この点は、理解すべき部分なので、個別指導で解説します！

選択肢４ Ａに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたＢは、Ａから債権譲渡の通知を受けるまでに、異議をとどめない承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Ｂは、Ｃから支払請求を受けた際に、Ａに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Ｃに対抗することはできない。 

【答え】誤り

【解説】
弁済期到来前に受働債権の譲渡があった場合でも、債務者Ｂが譲渡通知の当時すでに弁済期の到来している反対債権（Ａに対する債権）を有するときは、譲受債権者Ｃに対し相殺をもって対抗することができます（判例）。 したがって、Ｂは、Ｃの支払い請求に対して、相殺で対抗することができます。 この点は、理解すべき部分なので個別指導で解説します！

まとめ 債権譲渡については、理解しないとひっかけ問題にひっかかったり、本試験で頭が真っ白になった時に、解けなくなります。そのため、理解しながら学習を進めましょう！