選択肢１ Ａが甲建物を所有していても、建物保存登記をＡの子Ｃ名義で備えている場合には、Ｂから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたＤに対して、Ａは借地権を対抗することができない。 

【答え】正しい

【解説】

本肢は、借地権者がＡで、借地上建物の名義人がＣです。借地権を第三者に対抗する場合、「借地権者」と「借地上建物の名義人」は同じでないといけません。したがって、借地権者Ａは、所有権移転登記を備えたＤ（対抗要件を満たしたＤ）に対して、借地権を対抗することができません。よって、本肢は正しいです。
ちなみに、借地権を第三者に対抗できる場合は３つあるので、すべて覚えておきましょう！

1. 借地権の登記
2. 借地上建物の登記（借地権者本人名義であること）
3. 掲示による対抗（建物が滅失した場合、その旨を掲示している：滅失した日から2年間対抗力を持つ）

選択肢２ Ａが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Ｂから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたＥに対して、Ａは借地権を対抗することができない。 

【答え】誤り

【解説】

借地権を第三者に対抗するための「借地上建物の登記」について、建物の登記上の所在の地番や床面積等が、表示と多少、違っていても、建物の同一性が確認できる程度の軽微な違いであれば、対抗要件を満たします。よって、借地権者Ｅに対して、Ａは借地権を対抗することができるので、誤りです。

選択肢３ ＡＢ間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはＡが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。 

【答え】誤り

【解説】
「更新がなく期間満了により終了し、終了時にはＡが甲建物を収去すべき旨を有効に規定する」 ということは、定期借地権の要件を満たす必要があります。 定期借地権は「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」があります。 建物譲渡特約付き借地権とは、期間満了後に、借地上の建物を地主に相当対価で譲渡することにより、借地権を消滅させるものなので、これに当てはまりません。そうなると、「一般定期借地権」と「事業用定期借地権」のどちらかになります。 「一般定期借地権」は、存続期間を50年以上で設定する必要があり、本肢は30年なのでこれも満たしません。 次に、「事業用定期借地権」は、居住用建物所有を目的とする場合は設定できません。したがって、定期借地権のいずれにも、要件を満たすことができないので、定期借地権にすることはできません。よって、本肢は誤りです。この辺りは、しっかり、ルールを頭に入れた上で、応用する必要があります。応用が苦手な方は、考え方を理解していない証拠です。考え方は、個別指導で解説します。

選択肢４ Ａが地代を支払わなかったことを理由としてＢが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Ｂは甲建物を時価で買い取らなければならない。 

【答え】誤り

【解説】
賃借人の債務不履行によって、借地契約が終了した（解除となった）場合には、借地権者Ａに建物買取請求権は認められないので、地主Ｂは、建物を時価で買い取る義務はありません。本肢は誤りです。

まとめ 借地権については、理解すべき部分が多いので、理解学習を使いながら勉強を行いましょう！そうすれば、借地権だけでなく、借家権でも得点できるようになります。この２つは、毎年出題されるので、得点源にしておきましょう！