選択肢１ 譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、債務者は第三者に対して履行を拒むことができる。 

【答え】正しい

【解説】
債権に譲渡禁止特約がついているにもかかわらず債権譲渡をしても、原則、債権譲渡は有効です。 ただし、譲受人が悪意または重過失の場合、債務者は、履行を拒むことができます。 よって、正しいです。 本問はしっかり理解しないといけない問題ですね！ 何を理解すべきかわかりますか？ 個別指導では試験で得点できるよう理解すべき点を解説していきます！

選択肢２ 債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、債務の履行を拒むことができる。 

【答え】誤り

【解説】

債権に譲渡禁止特約がついていても、譲受人が善意かつ無重過失であれば、譲受人は有効に債権を取得できます（＝譲受人は債務者に対抗できる）。そして、このルールは転得者にも適用されます。 つまり、転得者が善意かつ無重過失であれば、転得者は有効に債権を取得できます（＝転得者は債務者に対抗できる）。  本肢の場合、債務者は「悪意の譲受人」に対しては対抗できます（債務の履行を拒むことができる）が、債務者は「善意無重過失の転得者」に対しては対抗できません（債務の履行を拒むことができません）。よって、本肢は誤りです。

選択肢３ 譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に対して、債務の履行を請求することができない。 

【答え】正しい

【解説】

譲渡禁止特約に反して債権者が譲渡した場合、原則、債権譲渡は有効です。 そして、債権者は、債権を譲渡しているので、すでに債権を持っていません。 そのため、譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に対して、債務の履行を請求することができません。 この問題は、問題文について理解学習勉強法を使うと理解しやすくなります。この点は、個別指導で解説します！無料講座でも理解学習勉強法の一部を解説しているので参考にしてみてください！

選択肢４ 譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がその特約の存在について悪意であるときは、当該質権設定は有効であるが、質権者からの質権の実行としての履行請求に対して履行を拒むことができる。 

【答え】正しい

【解説】

債権者が債権を持っていて、これを第三者（質権者）のために質権を設定したとします。 「債権」に質権を設定するということは、「債権」は第三者に渡すことになります。 つまり、債権譲渡と似ています。 そのため、債権譲渡のルールを使います。 つまり、選択肢１の通り、譲渡禁止特約のついた債権の譲渡も原則、有効です。そのため、質権設定も有効です
ただし、例外として質権者が悪意もしくは重過失があった場合、債務者は履行を拒むことができます。 本肢は、質権者が悪意なので、債務者は履行を拒むことができるため、正しい記述です。

まとめ 本問は債権譲渡の基本問題です。すべて、基本知識で解ける問題ですが、少しわかりづらく問題を作成しているので、理解していない人は解けない可能性があります。もし、解けない選択肢があったのであれば、勉強法を、丸暗記勉強法から理解学習勉強法に変えていきましょう！