不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。
- 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、不動産についての現実の使用方法は当該不動産が十分な効用を発揮していない場合があることに留意すべきである。
- 対象建築物に関する工事が完了していない場合でも、当該工事の完了を前提として鑑定評価を行うことがある。
- 特殊価格とは、一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいい、例としては、文化財の指定を受けた建造物について、その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合において求められる価格があげられる。
- 原価法は、対象不動産が建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効な手法であるが、対象不動産が土地のみである場合には、この手法を適用することはできない。
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解答と解説
【解答】4
選択肢1 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されるが、不動産についての現実の使用方法は当該不動産が十分な効用を発揮していない場合があることに留意すべきである。
【答え】正しい
【解説】
不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成されます。これを「最有効使用の原則」といいます。ただし、現実の使用方法では、十分な効用を発揮しない方法で使用する場合もあります。これも留意すべきなので、本肢は正しいです。
選択肢2 対象建築物に関する工事が完了していない場合でも、当該工事の完了を前提として鑑定評価を行うことがある。
【答え】正しい
【解説】
鑑定の依頼目的によっては、造成工事が終わっていない土地や建築工事が完了していない建物(未完成物件)を、工事が完了した土地や建物(完成物件)を前提として鑑定評価の評価とすることが可能です。簡単に言えば、鑑定の依頼目的によっては、未完成物件を完成物件を前提として鑑定評価の評価とすることが可能ということです。 この場合の鑑定評価を「未竣工建物等鑑定評価」といいます。
選択肢3 特殊価格とは、一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいい、例としては、文化財の指定を受けた建造物について、その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合において求められる価格があげられる。
【答え】正しい
【解説】
特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。例えば、文化財の指定を受けた建造物について、その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合において求められる価格が挙げられます。
選択肢4 原価法は、対象不動産が建物及びその敷地である場合において、再調達原価の把握及び減価修正を適切に行うことができるときに有効な手法であるが、対象不動産が土地のみである場合には、この手法を適用することはできない。
【答え】誤り
【解説】
原価法は、対象不動産について、再調達原価の把握及び減価修正を行って価格を計算する方法です。対象不動産が土地のみである場合であっても、造成前の土地の取得価額や造成費を考えて原価法を適用することはできるので誤りです。

まとめ 不動産鑑定評価基準については、鑑定評価の方式(原価法、収益還元法、取引事例比較法)と鑑定評価によって求める価格(正常価格、限定価格、特定価格、特殊価格)は、頻出なので、ポイントやキーワードを暗記しておきましょう!
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