選択肢１ 宅地建物取引業者Ａが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないＢを買主とする土地付建物の売買契約（代金3,200万円）を締結する場合について、割賦販売の契約を締結し、当該土地付建物を引き渡した場合、Ａは、Ｂから800万円の賦払金の支払を受けるまでに、当該土地付建物に係る所有権の移転登記をしなければならない。 

【答え】誤り

【解説】
売主が宅建業者で、買主が非宅建業者の場合、８種制限（割賦販売契約の所有権留保の禁止）が適用されます。割賦販売契約の所有権留保の禁止では、割賦販売契約を締結した場合、代金の支払額が３割を超えるまでに、買主に対して物件の引渡し及び所有権移転登記をしなければなりません。 本肢の場合、3200万円の３割は「960万円」です。 したがって、Ａは、Ｂから960万円の支払を受けるまでに、当該土地付建物に係る所有権の移転登記をしなければなりません。 よって、本肢は「800万円」は誤りで、正しくは「960万円」です。

選択肢２ 宅地建物取引業者Ａが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないＢを買主とする土地付建物の売買契約（代金3,200万円）を締結する場合について、当該土地付建物の工事の完了前に契約を締結した場合、Ａは、宅地建物取引業法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなくても手付金100万円、中間金60万円を受領することができる。 

【答え】正しい

【解説】
売主が宅建業者で、買主が非宅建業者の場合、８種制限（手付金等の保全措置）が適用されます。そして、未完成物件の場合、原則、代金の5%または1,000万円を超える手付金等を受領する場合、受領前に保全措置が必要です。 本肢の場合、代金が3,200万円なので、代金の5％は、160万円です。そのため、手付金100万円、中間金60万円を受領する場合、合計してピッタリ160万円を受領することになるので、手付金等の保全措置は不要です。

選択肢３ 宅地建物取引業者Ａが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないＢを買主とする土地付建物の売買契約（代金3,200万円）を締結する場合について、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を400万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた場合、当該特約は無効となる。 

【答え】誤り

【解説】
売主が宅建業者で、買主が非宅建業者の場合、８種制限（損害賠償額の予定等の制限）が適用されます。損害賠償額の予定等の制限のルールでは、損害賠償の予定額や違約金等の合計額が売買代金を２割を超えてはいけません。 本肢の場合、代金（3,200万円）の２割は、640万円です。 したがって、損害賠償の予定額を400万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた場合、合計してピッタリ640万円です。よって、代金の２割を超えていないので、宅建業法違反ではありません。したがって、本肢の特約は有効です！
＜関連ポイント＞
損害賠償の予定額や違約金等の合計額が640万円を超える違約金等の場合、640万円を超える部分のみ無効となります。すべてが無効とはならないので注意しましょう！例えば、合計700円であれば、60万円部分のみ無効で、損害賠償の予定額や違約金の額は640万円に減額されます。

選択肢４ 宅地建物取引業者Ａが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないＢを買主とする土地付建物の売買契約（代金3,200万円）を締結する場合について、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を定めていない場合、債務の不履行による損害賠償の請求額は売買代金の額の10分の２を超えてはならない。 

【答え】誤り

【解説】
損害賠償額の予定額や違約金を定めていない場合、民法の原則に従い、実際に生じた損害額を損害賠償金として請求できます。そのため、実際の損害額が、売買代金の2割を超えていても、その損害額を請求することができます。よって、本肢は「損害賠償の請求額は売買代金の額の10分の２を超えてはならない」となっているので誤りです。

まとめ ８種制限に関する問題は、必ず解けるようにしておきましょう！選択肢１の割賦販売契約の所有権留保の禁止の問題は、頻出ではありませんが、基本的な内容なので、テキストや過去問を使って頭に入れておきましょう！丸暗記勉強法でも大丈夫です！