選択肢１ 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。 

【答え】正しい

【解説】
相続回復の請求とは、本当の相続人ではないにもかかわらず、相続人であると主張している者Ａがいた場合、本当の相続人Ｂが相続権を主張して、Ａに対し相続権の侵害の排除を請求することを言います。そして、相続回復の請求権は、相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないとき、または相続開始から20年間経過したときに時効によって消滅します。よって、本肢は正しいです。

選択肢２ 被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子が相続人となることはない。 

【答え】誤り

【解説】
親Ａ・子Ｂ・孫Ｃといる場合に、親Ａが死亡する前に子Ｂが死亡していとき、その後、親Ａが死亡すると、孫Ｃが親Ａ（祖父母）の相続人として相続します。これを代襲相続と言います。さらに、孫Ｃも先に死亡しているのであれば、孫の子（ひ孫）Ｄが相続します。これを再代襲と言います。よって、本肢は、再代襲しない旨の記述となっているので誤りです。

選択肢３ 被相続人に相続人となる子及びその代襲相続人がおらず、被相続人の直系尊属が相続人となる場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となることはない。 

【答え】正しい

【解説】
＜基本事項＞
民法で定められた相続人を法定相続人と呼んでいます。配偶者は常に法定相続人ですが、他の法定相続人には順位があります。

• 第1順位：子(子が死亡している場合、孫・ひ孫)
• 第2順位：父母または祖父母
• 第3順位：兄弟姉妹

第一順位の相続人がいない場合、第二順位の相続人が法定相続人となります。そして、第二順位の相続人がいない場合、第三順位の相続人が法定相続人となります。
＜本肢の解説＞
問題文の「被相続人に相続人となる子及びその代襲相続人がおらず、被相続人の直系尊属が相続人となる場合」とは、被相続人に「子・孫」がいないが「親・祖父母」がいる場合です。この場合、被相続人に配偶者がいれば、配偶者が法定相続人となります。被相続人に兄弟がいても、その兄弟は法定相続人とはなりません。
よって、「被相続人の兄弟姉妹が相続人となることはない」は正しいです。

選択肢４ 被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子（兄弟姉妹の孫）が相続人となることはない。 

【答え】正しい

【解説】
兄弟姉妹が相続人となる場合について、その兄弟姉妹が死亡していたときは「その兄弟姉妹の子」が「代襲相続」します。しかし、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで再代襲は認められていません。つまり、「兄弟姉妹の孫」が相続人となることはないので、本肢は正しいです。

まとめ 法定相続人は誰になるか？また、代襲相続、再代襲については、基本事項です。必ず暗記しておきましょう！