選択肢１ Ｂが甲土地を所有の意思をもって平穏かつ公然に17年間占有した後、ＣがＢを相続し甲土地を所有の意思をもって平穏かつ公然に3年間占有した場合、Ｃは甲土地の所有権を時効取得することができる。 

【答え】正しい

【解説】

本肢は、Ｂが17年間占有し、その後、Ｃが3年間占有しています。ＣがＢの占有を承継する（引き継ぐ）と、合計20年間占有したことになります。20年間占有すれば、ＢやＣの善意無過失・悪意・有過失関係なく、Ｃは時効取得できます。よって、Ｃは甲土地の所有権を時効取得することができます。

選択肢２ Ｄが、所有者と称するＥから、Ｅが無権利者であることについて善意無過失で甲土地を買い受け、所有の意思をもって平穏かつ公然に3年間占有した後、甲土地がＡの所有であることに気付いた場合、そのままさらに7年間甲土地の占有を継続したとしても、Ｄは、甲土地の所有権を時効取得することはできない。 

【答え】誤り

【解説】

Ｄは、無権利者Ｅから甲土地を買い受け、善意無過失で、3年間占有した後、Ｄが、甲土地がＡの所有であることに気付いて（悪意となって）7年間占有を継続しています。占有の状態は、占有開始時の状態で判断するため、初めに善意無過失であれば、その後、悪意となっても善意無過失として考えます。よって、Ｄは、善意無過失で10年間（3年＋7年）占有しているので、時効取得できます。なので、本肢は誤りです。

選択肢３ Ｄが、所有者と称するＥから、Ｅが無権利者であることについて善意無過失で甲土地を買い受け、所有の意思をもって平穏かつ公然に3年間占有した後、甲土地がＡの所有であることを知っているＦに売却し、Ｆが所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を7年間占有した場合、Ｆは甲土地の所有権を時効取得することができる。 

【答え】正しい

【解説】

Ｄは、善意無過失で、3年間占有した後、悪意のＦに売却し、Ｆが7年間占有してます。ＦがＤの占有を承継すると、Ｄの善意無過失と7年間占有を引き継いで、善意無過失で合計10年間占有したことになります。よって、Ｆは甲土地の所有権を時効取得することができます。したがって、本肢は正しいです。

選択肢４ Ａが甲土地を使用しないで20年以上放置していたとしても、Ａの有する甲土地の所有権が消滅時効にかかることはない。 

【答え】正しい

【解説】
所有権については、使用せずに放っておいたからといって、消滅時効にかかることはありません。 よって、本肢は正しいです。 あれ？時効によって他人に取られるんじゃないの？と思った方は理解できていない証拠です。ここは理解すべき内容なので、理解学習勉強法を使って学習する必要があります。そのため、この点は個別指導で解説します！

まとめ 本問は取得時効の基本問題です。内容としてはすべて簡単なので、全て理解した上で解けるようにしておきましょう！丸暗記勉強法では、ヒッカケ問題や応用問題で失点するので注意しましょう！