選択肢１ Ａは、自己所有の甲不動産を３か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Ｂとの間でＢ所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。
乙不動産が値上がりしたために、Ａに乙不動産を契約どおり売却したくなくなったＢが、甲不動産の売却を故意に妨げたときは、Ａは停止条件が成就したものとみなしてＢにＡＢ間の売買契約の履行を求めることができる。

【答え】正しい

【解説】 条件が成就することによって不利益を受ける者Ｂが、故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方Ａは、その条件が成就（成立）したものとみなすことができます。条件が成就するということは、売買契約の効力が発生するので、ＡはＢに対して売買契約の履行（乙不動産の引き渡し）を求めることができます。

選択肢２ Ａは、自己所有の甲不動産を３か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Ｂとの間でＢ所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時から効力が生ずるだけで、停止条件の成否が未定である間は、相続することはできない。

【答え】誤り

【解説】 停止条件の成否が未定である間も、原則、当事者の権利義務は、相続をすることができます。例外として覚えておくべきものは、一身専属的な権利（一身専属権）です。これは相続できません。例えば、生活保護費の受給権利です。これは、被相続人個人に与えられた対する権利であり、相続の対象とはなりません。よって、 本肢は、原則通り、相続できます。

選択肢３ Ａは、自己所有の甲不動産を３か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Ｂとの間でＢ所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。
停止条件の成否が未定である間に、Ｂが乙不動産を第三者に売却し移転登記を行い、Ａに対する売主としての債務を履行不能とした場合でも、停止条件が成就する前の時点の行為であれば、ＢはＡに対し損害賠償責任を負わない。

【答え】誤り

【解説】 停止条件が付いていても、契約は有効です。つまり、本肢の「ＡＢ間でＢ所有の乙不動産を2,000万円で売買する契約」は有効です。そして、条件の成否が未定である間は、相手方の利益を害することができません。相手方の利益を害する行為をすれば、損害賠償責任を負うのは当然なので、本肢は誤りです。

選択肢４ Ａは、自己所有の甲不動産を３か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Ｂとの間でＢ所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。
停止条件が成就しなかった場合で、かつ、そのことにつきＡの責に帰すべき事由がないときでも、ＡはＢに対し売買契約に基づき買主としての債務不履行責任を負う。

【答え】誤り

【解説】 停止条件付の法律行為（売買契約）は、停止条件が成就した時からその効力を生じます。そして、停止条件が成就しなかった場合、そのことにつき債務者Ａの責に帰すべき事由がないときは、債務者ＡはＢに対して売買契約に基づく債務不履行責任を負いません。

まとめ 停止条件は、頻出ではないものの、国土利用計画法等でも出題される等、他分野でも問題文に出てきたりします。そのため、停止条件がどういうものか、どういった効果があるのかを頭に入れておきましょう！