選択肢１ ＡＢ間の賃貸借契約が借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約であるか否かにかかわらず、Ｂの造作買取請求権をあらかじめ放棄する旨の特約は有効に定めることができる。

【答え】正しい

【解説】
普通建物賃貸借契約、定期建物賃貸借契約いずれの場合でも、賃借人の造作買取請求権を排除する特約は有効です。つまり、この特約がある場合、賃借人が、賃貸人（オーナー）の承諾を得てエアコンを設置しても、退去の際に、「エアコンを買い取ってください！」と賃貸人（オーナー）に主張することができません。

選択肢２ ＡＢ間で公正証書等の書面によって借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借契約を契約期間を２年として締結する場合、契約の更新がなく期間満了により終了することを書面を交付してあらかじめＢに説明すれば、期間満了前にＡがＢに改めて通知しなくても契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。

【答え】誤り

【解説】
存続期間（契約期間）が1年以上の定期建物賃貸借の場合、期間満了時に契約を終了させるためには、建物賃貸人は、期間の満了の１年前から６ヶ月前までの間に建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければなりません。これに反する特約は無効です。つまり、本肢のように「期間満了前にＡがＢに改めて通知しなくても契約が終了する旨の特約」は、たとえ、事前に書面を交付した上で説明していたとしても無効です。上記通知をしなかった場合どうなるかについては、個別指導で解説します！ここまでしっかり頭に入れておきましょう！

選択肢３ 法令によって甲建物を２年後には取り壊すことが明らかである場合、取り壊し事由を記載した書面によって契約を締結するのであれば、建物を取り壊すこととなる２年後には更新なく賃貸借契約が終了する旨の特約を有効に定めることができる。

【答え】正しい

【解説】
取壊し予定建物の賃貸借は、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めた建物賃貸借契約です。この契約も更新がないので「定期建物賃貸借」の一種となります。本肢は、「取壊し予定建物の賃貸借」の具体例となるので、頭に入れておきましょう！

選択肢４ ＡＢ間の賃貸借契約が一時使用目的の賃貸借契約であって、賃貸借契約の期間を定めた場合には、Ｂが賃貸借契約を期間内に解約することができる旨の特約を定めていなければ、Ｂは賃貸借契約を中途解約することはできない。

【答え】正しい

【解説】
「一時使用目的の賃貸借契約」は、借地借家法の適用はありません。それために、民法の規定が適用されます。民法では、賃貸借契約の期間を定めた場合に、賃借人Ｂが賃貸借契約を期間内に解約することができる旨の特約を定めていなければ、Ｂは賃貸借契約を中途解約することはできません。また、当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者（賃貸人・賃借人）は、いつでも解約の申入れをすることができます。 

まとめ 本問は、定期建物賃貸借と普通建物賃貸借、民法適用の建物賃貸借といったすべての内容が含まれた問題です。整理をしながら勉強している方でないと、失点してしまう問題です。内容的には、基本レベルなので、正しい勉強法（理解学習）を行っている方であれば、得点できる問題でしょう！