選択肢１ 当該契約の締結に際し、Bが宅建業者A社に手付金を支払い、さらに中間金を支払った場合、Bは、A社が契約の履行に着手しないときであっても、支払った手付金を放棄して契約の解除をすることができない。

【答え】誤り

【解説】
宅地建物取引業者が、自ら売主として「宅建業者でない買主」との売買契約締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであっても、解約手付として扱われます。したがって、買主から手付解除をすることができるのは、売主業者が契約の履行に着手するまでであり、買主は交付した手付を放棄して、契約を解除することができます。本肢は「A社が契約の履行に着手しないとき」なので、買主は支払った手付金を放棄して契約の解除をすることができます。

選択肢２ 当該契約の締結に際し、宅建業者A社がBから代金の額の10分の２の手付金を受領する場合には、当該手付金を受領するまでに、宅地建物取引業法第41条の２の規定に基づく保全措置を講じなければならない。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者が自ら売主として、「宅建業者でない買主」と売買契約を締結する場合、売買の対象物が完成物件であるとき（建築工事完了後の建物であるとき）は、手付金の額が代金の額の10分の１又は1,000万円を超えるときは、手付金等の保全措置が必要となります。 よって、本肢は正しいです。本肢は、手付金額の制限とも関連しているので、この点は個別指導で解説します！しっかり、違いを理解しておきましょう！

選択肢３ 当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、違約金を定める場合、これらを合算した額について代金の額の10分の１とする旨の特約を定めることができる。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者が自ら売主として、「宅建業者でない買主」と売買契約を締結する場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の10分の２を超えてはいけません。本肢は「合算した額について代金の額の10分の１とする旨の特約」なので、10分の２を超えていません。よって、正しいです。

選択肢４ 当該契約において、Bが建物の種類又は品質に関する契約不適合について通知すべき期間として、Bが不適合を発見した時から2年間とする旨の特約を定めることができる。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者が自ら売主として、「宅建業者でない買主」と売買契約を締結する場合において、契約不適合責任の通知期間は、契約不適合を知った時から１年または、引渡しから２年より短い期間で設定すると、買主に不利な特約となるので無効となります。本肢は「契約不適合を知ってから２年」となっているので、買主に有利な特約です。よって、本肢は、有効な特約なので正しい記述です。

まとめ 本問は宅建業法における８種規制の内容です。８種規制は、ひっかけ問題が多く、特に、選択肢５の「担保責任（契約不適合責任）の特約制限」については、きちんと理解していないと失点してしまいます。単に過去問を解けるだけでなく類題も解けるように理解学習勉強法を実践しましょう！理解学習勉強法は、無料講座でも一部解説しているので参考にしてみてください！