選択肢１ 免許を受けようとするＡ社に、刑法第204条（傷害）の罪により懲役１年（執行猶予２年）の刑に処せられ、その刑の執行猶予期間を満了した者が役員として在籍している場合、その満了の日から５年を経過していなくとも、Ａ社は免許を受けることができる。

【答え】正しい

【解説】
法人の役員が禁錮以上の刑に処せられたとしても、その刑に執行猶予が付されている場合、執行猶予期間が満了したとき、欠格事由に該当しなくなり、５年の経過を待たずに、執行猶予期間が満了した時点で、免許を受けることができます。 懲役刑は禁錮刑以上の刑に該当します。本肢は、「A社には、執行猶予期間を満了した者が役員として在籍している場合」なので、A社は欠格ではありません。よって、A社は免許を受けることができます。

選択肢２ 免許を受けようとするＢ社に、刑法第206条（現場助勢）の罪により罰金の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから５年を経過していなくとも、Ｂ社は免許を受けることができる。

【答え】誤り

【解説】
法人の役員が現場助勢の罪により罰金の刑に処せられた場合、その刑の執行が終わってから５年を経過するまで、当該役員は欠格です。そして、この欠格である役員が在籍している法人も欠格となります。そして、非常勤役員も役員として扱うので、当該非常勤役員が、現場助勢の罪により罰金の刑に処せられた場合、その刑の執行が終わってから５年を経過するまで、Ｂ社は免許を受けることができません。よって、本肢は誤りです。ちなみに、今回Ｂ社が免許を受けられない原因は「欠格である非常勤役員」です。つまり、この非常勤役員が退社したり、平社員になったりすれば、法人Ｂ社は欠格ではなくなるので、直ちに免許を受けられます。

選択肢３ 免許を受けようとするＣ社に、刑法第208条（暴行）の罪により拘留の刑に処せられた者が役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから５年を経過していなければ、Ｃ社は免許を受けることができない。

【答え】誤り

【解説】
法人の役員が、暴行の罪により拘留の刑に処せられても、欠格事由に該当しません。よって、Ｃ社は免許は受けられます。したがって、本肢は誤りです。ちなみに、暴行の罪により欠格事由に該当するのは、罰金の刑以上の刑に処せられた場合です。また、刑罰は重い順に、「死刑→懲役→禁錮→罰金→拘留→科料→没収」となります。

選択肢４ 免許を受けようとするＤ社に、刑法第209条（過失傷害）の罪により科料の刑に処せられた者が非常勤役員として在籍している場合、その刑の執行が終わってから５年を経過していなければ、Ｄ社は免許を受けることができない。

【答え】誤り

【解説】
法人の役員（非常勤役員も含む）が過失傷害の罪で科料の刑に処せられた場合、欠格事由には該当しません。よって、本肢は、Ｄ社はいつでも免許を受けることができ、刑の執行が終わってから５年を待たずに免許を受けることができます。したがって、誤りです。
過失傷害の罪で欠格事由に該当するのは、禁錮刑以上の刑に処せられた場合です。注意すべき点は、過失傷害の罪で罰金刑に処せられても欠格にはならないですが、傷害の罪で罰金刑に処せられた場合、欠格になります。

まとめ 本問は免許欠格（宅建業の免許の基準）に関する問題ですが、すべて基本的な内容です。ひっかけ問題が多いですが、ルールを整理できれば、必ず解けるので、得点源にしましょう！