選択肢ア 不当な履行遅延の禁止（法第44条）は、宅地若しくは建物の登記若しくは引渡し又は取引に係る対価の支払を対象とするのみである。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者は、その業務に関してなすべき宅地・建物の①登記、②引渡し、または取引に係る③対価の支払を不当に遅延する行為をしてはいけません。宅建業法において、不当な履行遅延の禁止は、この３つに限定しています。よって、本肢は正しいです。

選択肢イ 宅地建物取引業者は、個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当しない場合、業務上取り扱った個人情報について、正当な理由なく他に漏らしても、秘密を守る義務（法第45条）に違反しない。

【答え】誤り

【解説】
個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当しない場合でも、宅建業法上の守秘義務はあります。そのため、業務上取り扱った個人情報について、正当な理由なく他に漏らした場合は、宅建業法違反となります。この点は宅建士についても同様、守秘義務はあります。

選択肢ウ 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、従業者名簿を備えなければならず、当該名簿については最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。

【答え】正しい

【解説】
従業者名簿は、事務所ごとに備え付け、最終記載日から10年間保存しなければなりません。よって、本肢は正しいです。関連ポイントとして、取引関係者から請求があった場合は、従業者名簿を閲覧させなければならない点も頭に入れておきましょう！

選択肢エ 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならず、帳簿の閉鎖後5年間（当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間）当該帳簿を保存しなければならない。

【答え】正しい

【解説】
帳簿は、事務所ごとに備付け、取引があった都度、取引内容を記載しなければなりません。そして、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後５年間（当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間）当該帳簿を保存しなければなりません。よって、本肢は正しいです。

まとめ 本問はすべて基本問題です。従業者名簿と帳簿の違いは、対比させて覚えておきましょう！別々に覚えると、本試験で混乱してしまう可能性があるので注意しましょう！