選択肢ア A社の従業員は、勧誘に先立ってA社の商号及び自らの氏名を告げてから勧誘を行ったが、勧誘の目的が投資用マンションの売買契約の締結である旨を告げなかった。

【答え】違反する

【解説】
宅地若しくは建物の売買の契約の締結について勧誘をするに際し、故意に「宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨」を告げずに、勧誘を行うことは、宅建業法で禁止されています。

選択肢イ 宅建業者A社の従業員は、「将来、南側に5階建て以上の建物が建つ予定は全くない｡」と告げ、将来の環境について誤解させるべき断定的判断を提供したが、当該従業員には故意に誤解させるつもりはなかった。

【答え】違反する

【解説】
宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはなりません。本肢は、「将来、南側に5階建て以上の建物が建つ予定は全くない」と告げています。つまり、将来環境について利益が発生することが確実であることを告げているので、故意でなく過失がなくとも、禁止されています。

選択肢ウ 宅建業者A社の従業員は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金を引き下げ、契約の締結を誘引した。

【答え】違反しない

【解説】
売買代金を引き下げて契約を行うことは違反ではありません。関連ポイントは、「 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為は違反する」という内容です。ここで禁止されている「手付について貸付けその他信用の供与をすること」とは、①手付金の貸付、②手付金の貸与、③手付金の分割払いを許すことの３つです。この点も併せて覚えてください。

選択肢エ 宅建業者A社の従業員は、勧誘の相手方から、「午後3時に訪問されるのは迷惑である｡」と事前に聞いていたが、深夜でなければ迷惑にはならないだろうと判断し、午後3時に当該相手方を訪問して勧誘を行った。

【答え】違反する

【解説】
宅建業法の施行規則によると、迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問することは禁止されています。よって、本肢は違反です。ちなみに、迷惑を覚えされる時間とは、午後9時から午前8時までを指します。

まとめ 本問は業務上の規制に関する問題です。すべて基本的な問題で、常識的に考えれば解ける問題です。しかし、ひっかけ問題も出題されるので、一度、宅建業法施行規則第16条の11を確認しておきましょう！