選択肢１ 父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。

【答え】誤り

【解説】
本肢は、「不動産を所有することができるか」を質問されています。人は、生まれた時点で、権利能力の獲得します。つまり、乳児も不動産を所有することはできます。よって、誤りです。
＜関連ポイント＞
意思無能力者とは、自分の行為の意味や結果を理解し、正常に意思決定できない者をいいます。そして、乳児は、意思無能力者です。民法では、意思無能力者の法律行為は無効と規定しています。
問題文の理解が、理解学習勉強法で一番重要な内容です。問題文のひっかけ問題に引っかかる方は「問題文の理解」ができていない場合が多いです。理解学習勉強法を実践しないと、どれだけ勉強しても本試験で合格点を取るのは難しいです。個別指導では、理解学習勉強法を身につけることができます。理解学習勉強法の一部は、無料講座で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

選択肢２ 営業を許可された未成年者が、その営業のための商品を仕入れる売買契約を有効に締結するには、父母双方がいる場合、父母のどちらか一方の同意が必要である。

【答え】誤り

【解説】
未成年者は、法定代理人の営業許可があれば、法定代理人の同意なく単独で契約ができます。
法定代理人から営業許可を得ている未成年者とは、例えば、親から「不動産業を営んでいいよ！」と許可を得ていれば、単独で、不動産を仕入れをしたり、販売をしたり、仲介をしたりすることができます。具体例を入れながら勉強することも理解学習勉強法の一つです。個別指導では、具体例を多く用いています！

選択肢３ 男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

【答え】誤り

【解説】
婚姻は、18歳にならなければ、することができません。つまり、男も女も18歳になれば、父母の同意なく婚姻（結婚）をすることができます。よって、本肢は「女は16歳になれば婚姻することができる」「父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である」の２か所が誤りです。

選択肢４ Ａが死亡し、Ａの妻Ｂと嫡出でない未成年の子ＣとＤが相続人となった場合に、ＣとＤの親権者である母ＥがＣとＤを代理してＢとの間で遺産分割協議を行っても、有効な追認がない限り無効である

【答え】正しい

【解説】

相続人は、妻Ｂと、非嫡出子（婚外子）のＣ・Ｄの３名です。そして、ＢＣＤの３名が遺産分割協議をするのですが、Ｃ・Ｄについては、母Ｅが、Ｃ・Ｄの代わりに（代理して）行うと問題文に書いてあります。これは、利益相反行為となりＣ・Ｄ双方の追認がなければ無効です。なぜなら、親権者ＥがＣを可愛がっている場合、「Ｃにたくさん相続させ、Ｄには、少ない財産しか相続させない」ということも可能になるからです。つまり、Ｃを有利にすればＤが不利になり、Ｄを有利にすればＣが不利になります。これを利益相反と言います。そして、本肢のような利益相反行為は、Ｃ・Ｄに効果は及びません。もし、Ｃ・Ｄ双方の追認がない場合、無効となります。よって誤りです。ただし、Ｃ・Ｄ双方が追認すれば、有効となります。
本肢は、本試験レベルの一般的なレベルで、合否の分かれ目となる問題です。これくらいのレベルの問題を確実に得点できるようにすることが重要です。そのためにも、少なくとも問題文の状況は理解すること（図は描けるようにすること）。そして、論理だてて答えを導けるようにすること。これが重要です。これが、個別指導で教えている理解学習勉強法です！

まとめ 本問は合否の分かれ目となる問題です。選択肢４が分からなくても、１～３はすべて解ける必要があります。もし、選択肢４とそれ以外の１つでも分からないと解けない問題となります。全選択肢解けてほしい問題ですが、本試験では消去法でも正解を導けないと、なかなか宅建の本試験で合格点を取るのは難しいでしょう。