選択肢ア 代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、その契約の効力は、別段の意思表示がない限り、追認をした時から将来に向かって生ずる。

【答え】誤り

【解説】
無権代理人が行った行為について本人が追認すれば、契約の時点にさかのぼってその効力を生じます。そのため、本問の「追認した時から将来に向かって」という部分が誤りです。 本問は関連ポイントがあるので、関連ポイントは個別指導で解説します！関連ポイントの一部は、無料講座でも解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢イ 不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、相手方において本人自身の行為であると信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理の規定を類推適用することができる。

【答え】正しい

【解説】
「不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合」とは「 権限外の行為 」と考えることができます。権限外の行為が行われた場合、相手方がこの権限外の行為について善意無過失のとき、相手方は、表見代理を主張できます。そのため、本肢の「表見代理の規定を類推適用することができる」という記述は正しいです。「適用」ではなく「類推適用」となっているのは、条文に「不動産を担保に金員を借り入れる代理権を与えられた代理人が、本人の名において当該不動産を売却した場合、権限外の行為とみなす」といった規定はなく、あくまで、権限外の行為と「考えることができる」に過ぎないので、条文の内容を直接適用するのであれば、条文の内容（権限外の行為）を利用する、という意味で、「類推適用」としています。

選択肢ウ 代理人は、行為能力者であることを要しないが、代理人が後見開始の審判を受けたときは、代理権が消滅する。

【答え】正しい

【解説】
制限行為能力者も、代理人として、有効に代理行為を行うことができます。そして、代理人が、後見開始の審判を受けた時は代理権は消滅します。したがって、本肢は正しいです！本問は関連ポイントがあるので、関連ポイントは個別指導で解説します！関連ポイントの一部は、無料講座でも解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢エ 代理人の意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する。

【答え】誤り

【解説】
代理人の意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合、その事実の有無は、原則、代理人を基準に考えます。
例外として、代理人が錯誤、詐欺や強迫を受けていることを本人が知っている（悪意の）場合には、本人は契約を取り消すことはできません。 本問は「本人の選択に従い、本人又は代理人のいずれかについて決する」という記述が誤りです。
上記解説は理解すべき内容です。解説すると少し長くなるので、理解すべき内容は、個別指導で解説します！ 

まとめ 本問は代理の基本問題です。しかし、内容を理解している方は少ないでしょう。多くの方が、解説を丸暗記するのですが、それでは本試験のひっかけ問題で、失点してしまいます。基本問題がゆえに得点できないと試験に落ちる可能性も高まるので、きっちり得点できるように理解をしておきましょう！