2023-10-10

宅建過去問平成26年（2014年）問44 問題解答と解説付き

宅地建物取引業法（以下この問において「法」という。）の規定に基づく監督処分に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

宅地建物取引業者Ａ（甲県知事免許）が乙県内において法第32条違反となる広告を行った。この場合、乙県知事から業務停止の処分を受けることがある。
宅地建物取引業者Ｂ（甲県知事免許）は、法第50条第２項の届出をし、乙県内にマンション分譲の案内所を設置して業務を行っていたが、当該案内所について法第15条第３項に違反している事実が判明した。この場合、乙県知事から指示処分を受けることがある。
宅地建物取引業者Ｃ（甲県知事免許）の事務所の所在地を確知できないため、甲県知事は確知できない旨を公告した。この場合、その公告の日から30日以内にＣから申出がなければ、甲県知事は法第67条第１項により免許を取り消すことができる。
宅地建物取引業者Ｄ（国土交通大臣免許）は、甲県知事から業務停止の処分を受けた。この場合、Ｄが当該処分に違反したとしても、国土交通大臣から免許を取り消されることはない。

一つ
二つ
三つ
なし

♪下記より解答を選んで下さい

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解答と解説

【解答】１（エのみ誤り）

選択肢ア宅地建物取引業者Ａ（甲県知事免許）が乙県内において宅建業法第32条違反となる広告を行った。この場合、乙県知事から業務停止の処分を受けることがある。

【答え】正しい

【解説】

宅建業法第32条とは、誇大広告等の禁止に関するルールです。指示処分や業務停止処分は免許権者だけでなく、業務地の知事も行うことができます。したがって、宅建業者Ａは乙県内で広告をしていて、誇大広告をして違反しているので、乙県知事はＡに対して業務停止処分を行うことはできます。よって、本肢は正しいです。ちなみに、免許権者である甲県知事もＡに対して業務停止処分を行えます。

選択肢イ宅地建物取引業者Ｂ（甲県知事免許）は、法第50条第２項の届出をし、乙県内にマンション分譲の案内所を設置して業務を行っていたが、当該案内所について法第15条第３項に違反している事実が判明した。この場合、乙県知事から指示処分を受けることがある。

【答え】正しい

【解説】
この選択肢も考え方はアと同じです。宅建業法第15条第3項とは、「宅建士が法定人数より不足した場合、２週間以内に補充しなさい」というルールです。このルールに違反していることが分かった場合、甲県知事だけでなく、業務地の知事である乙県知事も、指示処分をすることができます。なぜなら、指示処分や業務停止処分は免許権者だけでなく、業務地の知事も行うことができるからです。

選択肢ウ宅地建物取引業者Ｃ（甲県知事免許）の事務所の所在地を確知できないため、甲県知事は確知できない旨を公告した。この場合、その公告の日から30日以内にＣから申出がなければ、甲県知事は法第67条第１項により免許を取り消すことができる。

【答え】正しい

【解説】
宅建業者の事務所の所在地を確知できないときは、都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該宅建業者から申出がないときに限って、免許を取り消すことができます。免許取消ができるのは、免許権者のみなので、本肢は正しいです。所在地不確知とは、事務所がどこにあるのか分からない場合です。この場合、任意的免許取消事由に当たります。取消しは任意であり、義務ではないので注意しましょう！

選択肢イ宅地建物取引業者Ｄ（国土交通大臣免許）は、甲県知事から業務停止の処分を受けた。この場合、Ｄが当該処分に違反したとしても、国土交通大臣から免許を取り消されることはない。

【答え】誤り

【解説】
業務停止処分に違反した場合、必ず免許を取り消されます。つまり、必要的免許取消事由です。そして、免許取消しができるのは、免許権者のみです。、本肢の場合、宅建業者Ｄは必ず国土交通大臣から免許取消処分を受けます。よって、本肢は誤りです。