選択肢１ 甲建物の所有者Ａが、甲建物の隣家に居住し、甲建物の裏口を常に監視して第三者の侵入を制止していたとしても、甲建物に錠をかけてその鍵を所持しない限り、Ａが甲建物を占有しているとはいえない。 

【答え】誤り

【解説】
判例では

1. 家屋（空家：甲建物）の所有者Ａが、これに錠をかけて鍵を所持していない、又は標札等をしていないからといって、必ずしも所有者Ａは家屋（甲建物）を所持（占有）していないとはいえない。
2. 家屋の所有者Ａが、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所有者Ａはその家屋を所持（占有）しているといえる。
3. また、民法では、「占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する」と規定している。

2の内容から、本肢において、Ａは甲建物を占有しているといえます。よって、誤りです。本肢は「問題文の理解」と「質問内容の理解」が重要です！この点は理解すべき部分なので、個別指導で解説します！無料講座でも、理解ポイントの一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢２ 乙土地の所有者の相続人Ｂが、乙土地上の建物に居住しているＣに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Ｃは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。 

【答え】誤り

【解説】

乙土地の所有者はＢです。建物の占有者Ｃが、占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として乙土地の明け渡しを拒むことはできません。 よって、誤りです。本肢は「占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定」が非常に分かりにくいです。そのため、個別指導で解説します！このような問題文の理解は、理解学習で最も重要な内容です！無料講座でも、理解ポイントの一部を解説しているので、ぜひ、ご利用ください！

選択肢３ 丙土地の占有を代理しているＤは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。 

【答え】正しい

【解説】
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができます。つまり、Ｄは第三者に対して占有保持の訴えを提起することができます。 本肢は、理解すべき部分が複数あるので、それを関連付けて学習する必要があります。この点については個別指導で解説します！理解学習を実践して、宅建試験に余裕で合格しましょう！

選択肢４ 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。 

【答え】誤り

【解説】

占有を侵奪した者の特定承継人が善意の場合、占有を奪われた者は、占有回収の訴えはできません。一方、占有を侵奪した者の特定承継人が悪意の場合、占有を奪われた者は、占有回収の訴えができます。したがって、本肢は「当然に」という記述が誤りです。 

まとめ 占有権については、勉強していない人も多い部分です。しかし、合否の分かれ目になる分野なので、過去問で出題された部分はきちんと理解をしておきましょう！