選択肢ア 宅建業者Ａは、Ｂが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。
Ａは、Ｂが宅地建物取引業者であったので、宅地建物取引業法第34条の２第１項に規定する書面を作成しなかった。 

【答え】違反する

【解説】
媒介契約書の作成・交付のルールは、宅建業者間であっても適用されます。したがって、宅建業者ＡがＢから宅地の売却の依頼をされて、媒介契約を締結したのであれば、34条書面を作成する義務があります。よって、本肢は違反です。もちろん、依頼者Ｂへの交付義務もあります。

選択肢イ 宅建業者Ａは、Ｂが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。
Ａは、Ｂの要望により、指定流通機構に当該宅地を登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった。 

【答え】違反する

【解説】
専任媒介契約を締結した場合、媒介契約の日から７日以内（契約日・休業日を除く）に、物件に関する一定事項を、指定流通機構に登録しなければなりません。これに反する特約は、無効です。つまり、本肢のように「依頼者Ｂの要望により、指定流通機構に当該宅地を登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった」という記述は、宅建業法違反となります。

選択肢ウ 宅建業者Ａは、Ｂが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。
Ａは、短期間で売買契約を成立させることができると判断したので指定流通機構に登録せず、専任媒介契約締結の日の９日後に当該売買契約を成立させた。 

【答え】違反する

【解説】
専任媒介契約を締結した場合、媒介契約の日から７日以内（契約日・休業日を除く）に、物件に関する一定事項を、指定流通機構に登録しなければなりません。 「短期間で売買契約を成立させることができると判断できるかどうか」は関係ありません。よって、本肢は違反です。 この点についてヒッカケ問題がよく出題されます。個別指導では、「７日以内（契約日・休業日を含めない）」の意味も具体例を出して解説しています！  

選択肢エ 宅建業者Ａは、Ｂが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。
Ａは、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。 

【答え】違反しない

【解説】
専任媒介契約を締結した場合、依頼者に対して、２週間に１回以上、業務の処理状況を報告しなければなりません。本肢では、「毎週金曜日」に業務の処理状況の報告をするので、１週間に１回以上報告することになります。これは、お客様（依頼者）にとっては有利な特約です。したがって、有効です。 

まとめ 本問は媒介契約の基本問題ばかりです。すべて頭に入れておきましょう！できれば、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いを対比させて頭に入れておきましょう。