選択肢１ 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年３％とする旨

【答え】条文に規定されていない

【解説】
民法では、「利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率（３％）を基準にする」となっています（民法404条）。よって、５％ではありません。ちなみに、令和５年４月１日～令和８年３月３１日までは法定利率３％です。

選択肢２ 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨 

【答え】条文に規定されている

【解説】
民法では、「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないとき（＝家賃を滞納しているとき）は、敷金をその債務の弁済に充てることができる」と規定されています（民法622条の2第2項）。これは、賃貸人から敷金を滞納家賃の弁済に充てることはできますが、賃借人から、滞納家賃について敷金を使うよう請求することはできません。ここは宅建試験でも出題されやすいので頭に入れておきましょう。

選択肢３ 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨 

【答え】条文に規定されている

【解説】
民法では、「免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる」と規定されています（民法472条2項）。そして、この場合、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、効力を生じます。 債務引受とは、他人の債務を引き受けることを言い、併存的債務引受と免責的債務引受の２種類あります。併存的債務引受とは、引受人は、新たに債務者と同じ債務を負い、債務者も依然として債務を負担し、債務者と引受人が連帯債務関係に入ることをいいます。一方、免責的債務引受とは、債務者は債務を免れて、引受人が新債務者としてこれに代わって債務者の債務を負担することをいいます。詳細なポイントについては個別指導で解説します！  

選択肢４ 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する旨 

【答え】条文に規定されている

【解説】
民法は「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。」と規定しています（民法537条1項）。したがって、本肢は民法の条文に規定されています。これは「第三者のためにする契約」と言います。
例えば、当事者Aが自分の生命や財産を保険会社Bに対して保険契約を締結する際、Aの死亡や損害が発生した場合、Aの家族や受益者Cに対して一定の給付を行うことを目的とする契約。この場合、契約はAとBの間で締結されますが、Cが契約の利益を受け取ります。

まとめ 本問は、一つ一つの内容は理解して頭に入れておきましょう。免責的債務引受と併存的債務引受、さらには、第三者のためにする契約もどんなものかは理解しておきましょう！