選択肢１ Ａは、Ｂの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するには、Ｃに対して、賃料支払の催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。 

【答え】誤り

【解説】

賃借人Ｂが、Ａに対して賃料を払わず、ＡがＢの賃料の不払いを理由に、ＡＢ間の賃貸借契約を解除する場合、事前に、転借人Ｃに対して、賃料を支払う機会を与える必要はありません（判例）。賃貸人Ａは、賃借人Ｂにのみ催告すれば、足ります。よって、本肢は誤りです。

選択肢２ ＢがＡに対して甲建物の賃料を支払期日になっても支払わない場合、ＡはＣに対して、賃料10万円をＡに直接支払うよう請求することができる。 

【答え】正しい

【解説】
賃借人Ｂが適法に賃借物を転貸した場合、転借人Ｃは、賃貸人Ａに対して直接に賃料の支払義務を負います。つまり、賃貸人Ａは、転借人Ｃに対して直接賃料の支払いを請求できます。そして、ＡがＣに請求できる範囲は、賃貸料10万円と転貸料15万円の小さい額です。つまり、ＡはＣに対して、賃料10万円をＡに直接支払うよう請求することができるので本肢は正しいです。この点について、疑問に思うかもしれませんが、その点は理解していただきたい部分なので、個別指導で解説します！

選択肢３ ＡがＢの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合、ＣのＢに対する賃料の不払いがなくても、ＡはＣに対して、甲建物の明渡しを求めることができる。 

【答え】正しい

【解説】
ＡＢ間の賃貸借契約が、賃借人Ｂの債務不履行により解除された場合、賃借人Ｂは、転貸する権利を失い、Ｃに転貸することができなくなります。言い換えると、転貸主Ｂは履行不能に陥ります。そのため、ＢＣ間の転貸借契約は当然に終了するため、ＡはＣに対して、甲建物の明渡しを求めることができます。よって、本肢は正しいです。関連ポイントは個別指導で解説します。

選択肢４ ＡがＢとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合、ＡはＣに対して、Ｂとの合意解除に基づいて、当然には甲建物の明渡しを求めることができない。 

【答え】正しい

【解説】
ＡＢ間の賃貸借契約について、賃貸人Ａと賃借人Ｂが合意解除した場合、賃貸人Ａは転借人Ｃに対して解除を理由に対抗することができません。つまり、ＡはＣに明渡しを請求することはできないので、本肢は、正しい記述です。

まとめ 転貸に関する問題は、宅建試験では頻出ですし、基本ポイントが頭に入っていれば得点できます。そのため、どのようなひっかけ問題が出てきても解けるようにしましょう！