選択肢１ 宅建業者Ａ社は、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主との間で宅地の売買契約を締結した。この際、当該買主の代理として宅地建物取引業者B社が関与していたことから、37条書面を買主に加えてB社へも交付した。

【答え】違反しない

【解説】
宅建業者は、売買契約が成立したときは、遅滞なく、当事者（売主および買主）に対して、37条書面（契約書）を交付しなければなりません。売主代理人や買主代理人に交付する義務はないので、Ｂ社に交付する義務はありません。しかし、買主代理人であるＢ社に交付したとｓに交付しても違反とはなりません。よって、本肢は「宅建業法に違反しない」となります。逆に、売主または買主に37条書面を交付しない場合、宅建業法違反になります。

選択肢２ 宅建業者Ａ社は、宅地建物取引業者C社が所有する建物について、宅地建物取引業者でない買主から購入の媒介の依頼を受け、当該建物の売買契約を成立させた。この際、C社と当該買主との間では、C社が法第41条の2に規定する手付金等の保全措置を講じており、A社もそのことを知っていたが、37条書面には当該措置の内容を記載しなかった。

【答え】違反しない

【解説】
手付金等の保全措置の内容は、重要事項説明書（35条書面）の記載事項となっていますが、37条書面の記載事項にはなっていません。そのため、Ａ社が37条書面に手付金等の保全措置の内容を記載しなかったとしても、宅建業法違反にはなりません。

選択肢３ 宅建業者Ａ社は、建築工事完了前の建物の売買を媒介し、当該売買契約を成立させた。この際、37条書面に記載する当該建物を特定するために必要な表示については、法第35条の規定に基づく重要事項の説明において使用した図書があったため、当該図書の交付により行った。

【答え】違反しない

【解説】
建物を特定するために必要な表示（例えば、所在地や名称）については、37条書面の記載事項となっています。その際に、重要事項説明で用いた図書を使って説明しても、また交付しても宅建業法違反にはなりません。

選択肢４ 宅建業者Ａ社は、居住用建物の貸借を媒介し、当該賃貸借契約を成立させた。この際、当該建物の引渡しの時期に関する定めがあったが、法第35条の規定に基づく重要事項の説明において、既に借主へ伝達していたことから、37条書面にはその内容を記載しなかった。

【答え】違反する

【解説】
建物の引渡しの時期は、37条書面の記載事項で、35条書面（重要事項説明書）の記載事項ではありません。したがって、本肢はする必要はありません。「宅建業者Ａ社は、居住用建物の貸借を媒介し、当該賃貸借契約を成立させた。建物の引渡しの時期に関する定めがあったが、37条書面にはその内容を記載しなかった」となっているので誤りです。37条書面には記載しなければなりません。

まとめ 35条書面と37条書面の記載事項は、毎年出題される内容なので、できる限り頭に入れていきましょう！内容としては重複するものもありますが、異なるものもあります。整理できれば、比較的点数は取りやすい部分なので、整理の仕方は個別指導で解説します！