選択肢ア 宅建業者Ａは、自ら売主として、建物の売買契約を締結するに際し、買主が手付金を持ち合わせていなかったため手付金の分割払いを提案し、買主はこれに応じた。 

【答え】違反する

【解説】

＜手付について信用の供与に当たる行為（禁止行為）＞

1. 宅建業者が手付を貸し付けて契約すること
2. 宅建業者が手付を後日支払うことを許して契約すること
3. 宅建業者が手付の分割払いを許して契約すること

「買主が手付金を持ち合わせていなかったため手付金の分割払いを提案」は、手付の信用供与の3に当たります。 手付の信用供与は、宅建業法で禁止されているので、本肢は、宅建業法違反です。 

選択肢イ 宅建業者Ａは、建物の販売に際し、勧誘の相手方から値引きの要求があったため、広告に表示した販売価格から100万円値引きすることを告げて勧誘し、売買契約を締結した。 

【答え】違反しない

【解説】
本肢の状況は、買主が、広告を見て、「広告に表示した販売価格は少し高いな・・・値下げしてくれない！？」と売主業者Ａに提案をし、売主業者Ａはその提案を受けて、100万円値引きして販売をした状況です。手付金の減額は、手付の信用供与に当たりません。したがって、本肢は違反しないです。実務でも、手付金の減額はよく行われています。

選択肢ウ 宅建業者Ａは、土地の売買の媒介に際し重要事項の説明の前に、宅地建物取引士ではないＡの従業者をして媒介の相手方に対し、当該土地の交通等の利便の状況について説明させた。 

【答え】違反しない

【解説】
宅建士でない従業員が、取引相手に対して「土地の交通等の利便の状況」について説明しています。「土地の交通等の利便の状況」は35条書面の記載事項ではないので、説明する必要はありません。 そのため「土地の交通等の利便の状況」を宅建士以外の者が説明したからといって違反にはなりません。

選択肢エ 宅建業者Ａは、投資用マンションの販売に際し、電話で勧誘を行ったところ、勧誘の相手方から「購入の意思がないので二度と電話をかけないように」と言われたことから、電話での勧誘を諦め、当該相手方の自宅を訪問して勧誘した。 

【答え】違反する

【解説】
本肢の「購入の意思がないので二度と電話をかけないように」と言われたということは、「契約を締結しない旨の意思を表示した」ことになります。 したがって、その後、勧誘を継続することは宅建業法違反です。

まとめ 本問は、宅建業法上の業務上の規制に関する問題です。この点は、頻出なので宅建業法47条、47条の2は、一度確認しておきましょう！