選択肢１ 都道府県知事は、法第24条第1項の規定による勧告に基づき当該土地の利用目的が変更された場合において、必要があると認めるときは、当該土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の措置を講じなければならない。

【答え】誤り

【解説】
国土利用計画法24条第1項の勧告とは、「届出に係る土地に関する権利の移転」又は「権利の設定後における土地の利用目的に従った土地利用」が、土地利用基本計画などにに適合せず、周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があるときになされる「土地の利用方法を変更してください！」と勧告されることでする。そして、都道府県知事は、上記勧告に基づき当該土地の利用目的が変更された場合、必要があると認めるときは、当該土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の措置を講ずるよう努めなければなりません。つまり、「あっせんその他の措置を講じること」は、任意（しなくてもよい）であり、義務（しなければならに）ではありません。よって、誤りです。

選択肢２ 都道府県知事が、監視区域の指定について土地利用審査会の確認を受けられなかったときは、その旨を公告しなければならない。なお、監視区域の指定は、当該公告があったときは、その指定の時にさかのぼって、その効力を失う。

【答え】誤り

【解説】
都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる場合、その区域を、監視区域として指定することができます。そして、監視区域を指定しようとする場合、都道府県知事は、あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければなりません。本肢は、「確認を受けられなかったときは」という記述が、誤りです。「確認」ではなく、「意見を聴く」ことです。そして、監視区域の指定の効力は、公告によって発生します。指定の時にさかのぼりません。この点も誤りです。

選択肢３ Ａが、市街化区域において、2,500平方メートルの工場建設用地を確保するため、そのうち、1,500平方メートルをＢ社から購入し、残りの1,000平方メートルはＣ社から贈与で取得した。この場合、Ａは、事後届出を行う必要はない。

【答え】正しい

【解説】

国土利用計画法の事後届出が必要な場合とは、土地に関する権利の対価の授受を伴って、移転・設定する契約を締結した場合で、かつ、買主の取得した土地の面積の合計が届出対象面積を満たす場合です。
そして、市街化区域内の土地の場合、合計して2000㎡以上の場合、事後届出が必要です。ただし、Ｃ社から取得した1,000㎡の土地は贈与により取得したものであり、対価の授受がありません。そのため届出面積に含みません。したがって、Ｂ社から売買契約により取得した1,500㎡のみ判断されるので、届出対象面積（2000㎡以上）に達していないので、事後届出は不要です。

選択肢４ Ｄが所有する市街化調整区域内の土地5,000平方メートルとＥが所有する都市計画区域外の土地12,000平方メートルを交換した場合、Ｄ及びＥは事後届出を行う必要はない。

【答え】誤り

【解説】
事前届出は当事者（売主または買主）のとぢらか一方の土地の面積の合計が届出対象面積を満たす場合は届出が必要です。市街化調整区域では、5000㎡以上で届出が必要で、都市計画区域外では、10000㎡以上で届出が必要です。本肢では、Ｄが所有する市街化調整区域内の土地は、5,000㎡ピッタリなので、5000㎡以上に該当します。また、Ｅが所有する都市計画区域外の土地12,000㎡は、10000㎡以上に該当します。したがって、いずれも届出対象面積に達しており、Ｄ及びＥは届出が必要です。

まとめ 選択肢の３、４は、国土利用計画法でも基本問題なので、必ず理解をした上で、得点できるようにしましょう。選択肢１、２は、細かい内容なので、知らないかもしれませんが、選択肢３が答えなので、これだけで正解の選択肢は判断できます。