選択肢１ 宅建業者A社が銀行との間で保証委託契約を締結することにより保全措置を講じている場合、当該措置内容は、少なくともA社が受領した手付金の返還債務の全部を保証するものでなければならない。

【答え】正しい

【解説】
宅地建物取引業者が、自ら売主として「宅建業者でない買主」と売買契約を締結する場合、売買対象となる物件が未完成物件（建築工事完了前のマンション）のとき、手付金等の保全措置として行う銀行等との保証委託契約は、受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものでなければなりません。簡単に言えば、契約締結から引き渡しまでに受領する手付金や中間金などをすべて保証する内容であることが要件ということです。

選択肢２ 宅建業者A社が保険事業者との間で保証保険契約を締結することにより保全措置を講じている場合、当該措置内容は、少なくとも当該保証保険契約が成立したときから建築工事の完了までの期間を保険期間とするものでなければならない。

【答え】誤り

【解説】
宅建業者が行うべき手付金等の保全措置のうち、保険事業者との保証保険契約の保険期間は、少なくとも保証保険契約が成立した時から引渡しまでの期間でなければなりません。本肢は「建築工事の完了まで」となっているので誤りです。例えば、建築工事の完了しても、売主である宅建業者が、資材の販売業者に代金を払っておらず、建物を買主に引き渡すことができない場合もあります。そういった場合、買主が売主業者に交付した手付金等を返還してあげないといけないので、本肢のように気私まで、保険で守ってあげる必要があります。

選択肢３ Bが売買契約締結前に申込証拠金5万円を支払っている場合で、当該契約締結後、当該申込証拠金が代金に充当されるときは、宅建業者A社は、その申込証拠金に相当する額についても保全措置を講ずる必要がある。

【答え】正しい

【解説】
「申込証拠金」とは、買主が、他の人に売られないように、物件を押さえておくために売主に支払うお金を言います。その後、契約締結した場合、この申込証拠金が購入代金の一部になることもあります。そして、申込証拠金は、契約成立後、当該申込証拠金が代金に充当される（購入代金の一部となる場合）場合、手付金等の保全措置の対象となります。

選択肢４ 宅建業者A社は、売買契約締結後の建築工事中に、さらに200万円を中間金としてBから受領する場合、当該中間金についても保全措置を講ずる必要がある。

【答え】正しい

【解説】
宅地建物取引業者が、自ら売主として「宅建業者でない買主」と売買契約を締結する場合において、売買対象となる物件が未完成物件（建築工事完了前のマンション）のときは、売買代金の額の５％を超える手付金や中間金を受領するのであれば、手付金だけでなく、中間金も保全措置を講じる必要があります。

まとめ 本問は、宅建業法における手付金等の保全措置に関する問題です。８種規制の一つであり、毎年出題されてもおかしくない分野なので、必ず解けるように学習をしておきましょう！