選択肢１ 婚姻中の夫婦ＡＢ間には嫡出子ＣとＤがいて、Ｄは既に婚姻しており嫡出子Ｅがいたところ、Ｄは令和３年10月１日に死亡した。他方、Ａには離婚歴 があり、前の配偶者との間の嫡出子Ｆがいる。Ａが令和３年10月２日に死亡した。
Ａが死亡した場合の法定相続分は、Ｂが２分の１、Ｃが５分の１、Ｅが５分の１、Ｆが10分の１である。

【答え】誤り

【解説】

Ａが死亡した際に、子Ｄの既に死亡しているので、Ｄの子であるＥは代襲相続します。つまり、法定相続人は妻Ｂ、子Ｃ、孫Ｅ、子Ｆの４人です。そして、法定相続分は次の通りです。 ①まず、配偶者Ｂは１/２で確定します。②次に子は、全体として１/２を相続します。子（孫も含む）は、全員でＣ、Ｅ、Ｆの３名いるので、１/２を３人で均等に分けます。したがって、C、E、Fの法定相続分は
Ｃ：１/２　×　１/３　＝　１/６
Ｅ：１/２　×　１/３　＝　１/６
Ｆ：１/２　×　１/３　＝　１/６
となり、本肢は誤りです。Ｆは前妻の子ですが、子であることに違いはないので、現在の妻との子と同じ割合で相続します。また、孫Ｆについても、子Ｄが先に死亡しているので、子Ｄの相続分をそのまま引き継ぐので、子Ｃと同じ割合で相続します。結果的に、Ｃ、Ｅ、Ｆの３名の法定相続分はすべて均等ということです。

選択肢２ 婚姻中の夫婦ＡＢ間には嫡出子ＣとＤがいて、Ｄは既に婚姻しており嫡出子Ｅがいたところ、Ｄは令和３年10月１日に死亡した。他方、Ａには離婚歴 があり、前の配偶者との間の嫡出子Ｆがいる。Ａが令和３年10月２日に死亡した。
Ａが生前、Ａ所有の全財産のうち甲土地についてＣに相続させる旨の遺言をしていた場合には、特段の事情がない限り、遺産分割の方法が指定されたものとして、Ｃは甲土地の所有権を取得するのが原則である。

【答え】正しい

【解説】


遺言は、特段の事情のない限り、死亡した時から効力が生じ、遺産分割前に、遺言どおり相続されます。 つまり、遺言どおりＣは甲土地の所有権を取得します。

選択肢３ 婚姻中の夫婦ＡＢ間には嫡出子ＣとＤがいて、Ｄは既に婚姻しており嫡出子Ｅがいたところ、Ｄは令和３年10月１日に死亡した。他方、Ａには離婚歴 があり、前の配偶者との間の嫡出子Ｆがいる。Ａが令和３年10月２日に死亡した。
Ａが生前、Ａ所有の全財産についてＤに相続させる旨の遺言をしていた場合には、特段の事情がない限り、Ｅは代襲相続により、Ａの全財産について相続するのが原則である。

【答え】誤り

【解説】
相続開始（Ａの死亡時）に、遺言による相続を受ける者Ｄが死亡している場合、Ｄに相続させる旨の遺言は無効となります。そのため、遺言が代襲相続されることはないので、Ｅに全財産を相続されることはありません。よって、誤りです。

選択肢４ 婚姻中の夫婦ＡＢ間には嫡出子ＣとＤがいて、Ｄは既に婚姻しており嫡出子Ｅがいたところ、Ｄは令和３年10月１日に死亡した。他方、Ａには離婚歴 があり、前の配偶者との間の嫡出子Ｆがいる。Ａが令和３年10月２日に死亡した。
Ａが生前、Ａ所有の全財産のうち甲土地についてＦに遺贈する旨の意思表示をしていたとしても、Ｆは相続人であるので、当該遺贈は無効である。

【答え】誤り

【解説】
相続人に対して特定遺贈することも可能です。 よって、本肢の遺贈は有効なので、本肢は誤りです。特定遺贈とは、特定の財産を指定して、その遺産を受遺者に遺贈することを言います。例えば、「甲不動産をＢに遺贈する」、「横浜銀行の預金100万円をＣに遺贈する」といった遺言が特定遺贈です。特定遺贈は、遺言書に財産を特定して記載する遺贈の方法で、相続人以外の第三者に対して財産を残す場合に使用することが多いですが、相続人に対して遺贈する場合も用いることができます。本肢のような具体例を使った解説は、無料講座でも勉強できますので、参考にしてみてください！

まとめ 本問は、すべて基本問題です。問題文から相続人を示す関係図を描けるようにしましょう。また、法定相続分も計算できるようにしましょう。それ以外の選択肢2～４も基本的なルールなので、覚えておくとよいです！