選択肢ア Ａ社は、Ｂとの間で締結した中古住宅の売買契約において、引渡後２年以内に通知された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の契約不適合についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。

【答え】誤り

【解説】
民法では「売買の目的物の品質又は種類に関する契約不適合があったときは、売主に担保責任が生じる」としています。そして、宅建業法では、契約不適合責任について、原則、民法よりも買主に不利な内容の特約をすることができないとしており、例外として、契約不適合に関する通知期間を「引渡し後２年」以上とすることは許されるとしています。 
本肢をみると「引渡後２年以内に通知された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の瑕疵についてのみ責任を負うとする特約」となっており、民法の規定よりも買主に不利な特約となっています。そのため、本特約を定めることはできないので、誤りです。担保責任の特約制限は、理解していない人が多いため、出題者はひっかけ問題を作って、失点させようとしまう。そのため、合否の分かれ目になる問題です。理解の仕方は、個別指導で解説します！理解学習の一部は、無料講座でも勉強できますので、参考にしてみてください！

選択肢イ Ａ社は、Ｂとの間における新築分譲マンションの売買契約（代金3,500万円）の締結に際して、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額と違約金の合計額を700万円とする特約を定めることができる。

【答え】正しい

【解説】
宅建業法では、損害賠償の予定額と違約金の額の合計額が代金の10分の2を超えてはいけないルールとなっています。もし、10分の2を超えて特約した場合は、超えた部分のみ無効となり、損害賠償の予定額等は、10分の2になります。本肢の場合、代金の10分の2は700万です。そのため、損害賠償の予定額と違約金の合計額を700万円とする特約は宅建業法違反しません。よって、正しいです。

選択肢ウ Ａ社は、Ｂとの間における土地付建物の売買契約の締結に当たり、手付金100万円及び中間金200万円を受領する旨の約定を設けた際、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、売主は買主に受領済みの手付金及び中間金の倍額を支払い、また、買主は売主に支払済みの手付金及び中間金を放棄して、契約を解除できる旨の特約を定めた。この特約は有効である。

【答え】誤り

【解説】
宅建業法では、買主が売主に与える手付は、解約手付として扱います。つまり、①売主が履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄して、契約解除をすることができます。一方、②買主が履行に着手るまでは、売主は手付金の倍額を買主に償還して、契約解除をすることができます。そして、これよりも 買主に不利な特約は無効となります。
本肢の場合、売主からの解除する場合の記述について、「受領済みの手付金及び中間金の倍額を支払う」という点は、②よりも買主にとって有利な特約なので有効です。
一方、買主からの解除する場合の記述について、「支払済みの手付金及び中間金を放棄」という点は、①よりも買主にとって不利な特約になります。なぜなら、中間金も放棄しないといけないからです。よって、本特約は無効なので、誤りです。

まとめ 本問は、選択肢アが難しい内容です。ウの解約手付も問題文がややこしいので間違える人も多いです。問題文はきちんと読んで理解しましょう！本問は、合否の分かれ目になる問題なので、得点できるように復習しましょう！