選択肢１ 土地鑑定委員会は、標準地の価格の総額を官報で公示する必要はない。 

【答え】正しい

【解説】
土地鑑定委員会が公示する地価（地価公示）は、標準地の価格の総額ではなく、単位面積当たりの価格です。単位面積当たりの価格とは、1㎡あたりの金額です。この金額が毎年、3月下旬に公表されます。例えば、公示価格が、1㎡あたり10万円の標準地の地積が100㎡だった場合、価格の総額は1000万円です。この場合、公示される地価は、10万円です。1000万円が公示されるわけではないので注意しましょう！公示価格は、国土交通省の地価公示のページで公表されているので、調べてみると分かりやすいです。

選択肢２ 土地の使用収益を制限する権利が存する土地を標準地として選定することはできない。 

【答え】誤り

【解説】
土地の使用収益を制限する権利とは、例えば、土地賃借権や地上権等です。土地賃借権や地上権が付いた土地の場合、その土地を利用するのは、賃借人又は地上権者です。所有者は、自己所有の土地であっても使うことができません。そのため、使用収益が制限されているということです。このような土地の使用収益を制限する権利が存する土地であっても、標準地として選定することはできるので、誤りです。

選択肢３ 不動産鑑定士が土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、標準地の鑑定評価額が前年の鑑定評価額と変わらない場合は、その旨を土地鑑定委員会に申告することにより、鑑定評価書の提出に代えることができる。 

【答え】誤り

【解説】
選定された標準地について、鑑定評価を行うのは不動産鑑定士です。そして、標準地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価書を提出しなければなりません。前年と同じ評価額であっても、その年の鑑定評価書を提出することは義務です。本肢のように「申告することにより、鑑定評価書の提出に代えることができる」というルールはないので、本肢は誤りです。

選択肢４ 不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格を基本とし、必要に応じて、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案しなければならない。 

【答え】誤り

【解説】
不動産鑑定士は、標準地の鑑定評価を行う場合、下記３つを総合的に勘案して（考えあわせて）鑑定評価しないといけません。

1. 近傍類地の取引価格から算定される推定の価格
2. 近傍類地の地代等から算定される推定の価格
3. 同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額

本肢は、1に重点を置き、2と3は必要に応じて勘案するとなっているので、誤りです。すべてを同じように考えあわせる必要があります。

まとめ 地価公示は、比較的解きやすいので、過去問をできるだけたくさん勉強して頭に入れておきましょう！