選択肢１ 売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、特段の事情がない限り、相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受領する権限を有する。 

【答え】正しい

【解説】
売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受ける権限を有します（判例）。 つまり、相手方が取消ししたい場合、代理人に対して取消しの意思表示を行えば、有効に取り消すことができるということです。よって、本肢はだたしいです。  

選択肢２ 委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも、復代理人を選任することができる。 

【答え】正しい

【解説】
委任による代理人とは、任意代理における代理人を指します。 本人Ａ、代理人Ｂ、復代理人Ｃとします。 任意代理の場合、代理人Ｂは、本人Ａの許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときに限り、復代理人Ｃを選任することができます。
■理解すべき内容
本人Ａとしては、「Ｂだから代理人でも大丈夫だ」と思って指名しているのに、ＢかＡに無断で別の人Ｃを代理人（復代理人）として選任してしまったら、本人Ａの意図しない人が復代理人になってしまいます。それでは困るので、「本人Ａの許諾を得たとき」又は「やむを得ない事由があるとき」に限って、代理人Ｂは復代理人Ｃを選任できるとしています。
今回は、理解すべき内容まで解説しましたが、このように理解をしながら学習をしないと、過去問や模試では点数が取れても、本試験の応用問題が解けないです。そのため、個別指導では、理解すべき部分まで解説して、あなたに、理解学習を実践していただいております！また、その他の関連知識もあるので、これも併せて個別指導でお伝えします！  

選択肢３ 復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭を受領し、これを代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務は消滅するが、本人に対する受領物引渡義務は消滅しない。 

【答え】誤り

【解説】
例えば、本人Ａ、代理人Ｂ、復代理人Ｃとします。 復代理人Ｃは、本人Ａに代わって金銭を受領し、それを代理人Ｂに引渡した場合、復代理人Ｃは、本人Ａに対する引渡し義務を消滅するとしています（判例）。つまり、復代理人Ｃは、受領した金銭を代理人Ｂに引き渡せば本人に対する引渡義務を果たしたことになるということです。これは、考え方が分かれば答えを導きやすいです！ この考え方については、個別指導で解説します！  

選択肢４ 夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくとも、日常家事に関する事項について、他の一方を代理して法律行為をすることができる。 

【答え】正しい

【解説】
日常家事に関する事項とは、例えば、引っ越し後、新しい家に電気を通すために、妻が夫名義で電力会社と契約をした場合、この契約は日常家事に関する事項です。この日常家事に関する事項は、夫が妻に対して代理権を与えていなくても、妻は、夫の代理人として契約することができます。よって、本肢は正しいです。ちなみに、 夫名義で妻が借金するというのは「日常家事の範囲内ではない」ので、妻は、代理権を持っていません。

まとめ 代理に関する問題は、状況が複雑だったり、問題文自体が理解できなかったりして苦手な方も多いです。ただし、理解をすれば解ける問題が多いので。理解学習を使って勉強を進めていきましょう！代理で得点できないと、もっと難しい分野で得点できないので、民法で足を引っ張ってしまいます。宅建合格したい方は、個別指導で理解学習を実践しましょう！