選択肢１ ＡとＢとの間で、Ａ所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約（本件契約）を締結した。本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。 

【答え】誤り

【解説】
事業用建物を所有することを目的とした土地の賃貸借契約でも、普通借地権として設定することは可能です。 よって、公正証書によらなくても、通常の書面で契約すれば有効となります。本肢は、考え方を理解することが重要です。そのため、個別指導では、理由付け勉強法を用いて解説します！

選択肢２ ＡとＢとの間で、Ａ所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約（本件契約）を締結した。本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。 

【答え】正しい

【解説】
居住用建物を所有する目的で土地の賃貸借を締結する場合、事業用定期借地権として契約することはできません。よって、「借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効」となります。したがって、本肢は正しいです。
＜本肢の契約の場合どうなるか？＞
普通借地権として扱い、契約期間は30年で、契約期間が満了した時点で建物が存在する場合、更新されます。 これは理解すべき内容なので、個別指導で細かく考え方をお伝えします！

選択肢３ ＡとＢとの間で、Ａ所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約（本件契約）を締結した。本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。 

【答え】誤り

【解説】
普通借地権の存続期間は、30年以上で定めなければなりません。 そして、30年未満で定めた場合は、30年となります。 もし、本肢のように、60年と定めた場合、60年となります。30年より長い場合は問題なく、その期間が存続期間となります。 したがって、「存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。」という本肢は誤りです。 公正証書でなくても、60年として設定できます。  

選択肢４ ＡとＢとの間で、Ａ所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約（本件契約）を締結した。Ｂは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Ｂと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。 

【答え】誤り

【解説】
自分が借地権者であることを第三者に対抗するための要件は下記２つのいずれかを満たす場合です。

1. 借地権の登記
2. 借地上の建物の登記（表題登記でも保存登記でもよい）

そして、2の場合、借地上の建物の登記名義人は、借地権者本人である必要があります。 つまり、本肢のように、「借地権者がＢ」で、「借地上の建物の登記名義人がＢの長男」の場合、借地上建物の登記名義人と借地権者が異なるので、2の借地権の対抗要件を満たしません。 そして、Ｂは、甲土地につき借地権登記を備えないことが前提なので、1も満たさず、Ｂは新所有者に対抗できません。よって、本肢は誤りです。

まとめ 本問は、借地権についての問題ですが、すべて基本的な内容です。基本的だからといって丸暗記勉強法だけで勉強するのではなく、理解すべき部分は理解する理解学習勉強法を使って勉強しましょう！これが宅建合格するための勉強法です。