選択肢ア 宅地建物取引業者Ａ（国土交通大臣免許）が甲県内における業務に関し、法第37条に規定する書面を交付していなかったことを理由に、甲県知事がＡに対して業務停止処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。 

【答え】誤り

【解説】
国土交通大臣が、国土交通大臣免許を受けた宅建業者に対し一定の規定に違反したことを 理由に処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければなりません。 本肢は「甲県知事が、監督処分をしようとしている」ので、内閣総理大臣に協議する必要はありません。よって、誤りです。内閣総理大臣に協議が必要な場合は、国交大臣が大臣免許を受けた宅建業者に処分を行う場合です。

選択肢イ 乙県知事は、宅地建物取引業者Ｂ（乙県知事免許）に対して指示処分をしようとするときは、聴聞を行わなければならず、聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。 

【答え】正しい

【解説】
宅建業者や宅建士に対して監督処分（指示処分・業務停止処分・免許取消処分・事務禁止処分・登録消除処分）をするときには、事前に聴聞を行う必要があります。 そして、この聴聞は、公開で行わなければなりません。 よって、本肢は正しいです。聴聞（ちょうもん）とは、宅建業者が監督処分を受ける場合に、言い訳を話せる場を言います。言い訳をきちんと話した上で監督処分がされるか否かを知事等は判断します。

選択肢ウ 丙県知事は、宅地建物取引業者Ｃ（丙県知事免許）が免許を受けてから１年以内に事業を開始しないときは、免許を取り消さなければならない。 

【答え】正しい

【解説】
免許を受けてから１年以内に事業を開始しなかったとき又は免許を受けてから引き続いて１年以上事業を休止したとき、免許権者は、必ず、宅建業者の免許取消処分を下さないといけません（必要的取消事由）。 よって、本肢は正しいです。任意ではないので注意しましょう！

選択肢エ 宅地建物取引業者Ｄ（丁県知事免許）は、法第72条第１項の規定に基づき、丁県知事から業務について必要な報告を求められたが、これを怠った。この場合、Ｄは50万円以下の罰金に処せられることがある。 

【答え】正しい

【解説】
都道府県知事は、その職員に命じて、宅建業者の事務所などに立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができます。 そして、この立入検査を拒むと、50万円以下の罰金刑に処せられます。 よって、本肢は正しいです。立入検査を拒否した場合、50万円以下の罰金となる点もしっかり覚えておきましょう！

まとめ 本問は、監督処分に関する問題ですが、すべて基本的な問題です。罰金刑の重さについては覚えるのが大変ですが、過去問で出題された部分は都度覚えていきましょう！