2023-12-11

宅建過去問令和元年（2019年）問38 問題解答と解説付き

宅地建物取引業者Ａが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないＢとの間で宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法第37条の２の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

Ｂがクーリング・オフにより売買契約を解除した場合、当該契約の解除に伴う違約金について定めがあるときは、Ａは、Ｂに対して違約金の支払を請求することができる。
Ａは、Ｂの指定した喫茶店で買受けの申込みを受けたが、その際クーリング・オフについて何も告げず、その３日後に、クーリング・オフについて書面で告げたうえで売買契約を締結した。この契約において、クーリング・オフにより契約を解除できる期間について買受けの申込みをした日から起算して10日間とする旨の特約を定めた場合、当該特約は無効となる。
Ａが媒介を依頼した宅地建物取引業者Ｃの事務所でＢが買受けの申込みをし、売買契約を締結した場合、Ａからクーリング・オフについて何も告げられていなければ、当該契約を締結した日から起算して８日経過していてもクーリング・オフにより契約を解除することができる。

一つ
二つ
三つ
なし

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解答と解説

【解答】２（アとウが誤り）

選択肢ア宅建業者でないＢがクーリング・オフにより売買契約を解除した場合、当該契約の解除に伴う違約金について定めがあるときは、宅建業者Ａは、Ｂに対して違約金の支払を請求することができる。

【答え】誤り

【解説】
宅建業者Ａが売主で、非宅建業者Ｂが買主なので８種制限の適用（クーリングオフによる制限）があります。宅建業法では、クーリングオフに基づく契約解除に伴う違約金・損害賠償金について定めがあったとしても、この定めは無効となります。つまり、売主業者Ａは、買主Ｂに対してクーリングオフによる解除について、違約金や損害賠償金を請求することはできません。よって、本肢は誤りです。

選択肢イ宅建業者Ａは、宅建業者でないＢの指定した喫茶店で買受けの申込みを受けたが、その際クーリング・オフについて何も告げず、その３日後に、クーリング・オフについて書面で告げたうえで売買契約を締結した。この契約において、クーリング・オフにより契約を解除できる期間について買受けの申込みをした日から起算して10日間とする旨の特約を定めた場合、当該特約は無効となる。

【答え】正しい

【解説】
宅建過去問令和元年（2019年）問38-イ：クーリングオフができる期間（書面交付してから８日を経過するまで）の図です。

買主Ｂの指定した喫茶店で買受けの申込みを行い、書面によりクーリングオフの説明を受けてから８日以内であれば、買主はクーリングオフによる契約解除ができます。本肢を見ると、「買受けの申込日→３日後にクーリングオフの説明を受ける」という流れです。本肢の特約は「買受けの申込みをした日から起算して10日間とする旨」です。この特約だと、「クーリングオフの説明を受けてから７日間」しかクーリングオフによる解除ができません。上記の通り、宅建業法では８日間は解除できるように規定しているので、上記特約は、買主に不利な特約なので、無効となります。よって、正しいです。

選択肢ウ宅建業者Ａが媒介を依頼した宅地建物取引業者Ｃの事務所で宅建業者でないＢが買受けの申込みをし、売買契約を締結した場合、Ａからクーリング・オフについて何も告げられていなければ、当該契約を締結した日から起算して８日経過していてもクーリング・オフにより契約を解除することができる。

【答え】誤り

【解説】
買主Ｂが、媒介業者Ｃの事務所で申し込みをした場合、クーリング・オフについて何も告げられていなかったとしても、クーリングオフによる解除はできません。よって、本肢は誤りです。クーリングオフができるか否かを問う問題は、答えの導き方があります。これを知っていれば必ず解けます！個別指導では、クーリングオフを解くためのノウハウ・解法を解説します！このノウハウを知らないと、ヒッカケ問題に引っかかるので、注意しましょう！