宅地建物取引業者Aが、自ら売主として締結する売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。(改)
- Aが宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する宅地の売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間をBがその不適合を知った時から2年とする特約を定めた場合、この特約は有効である。
- Aが宅地建物取引業者ではないCとの間で建築工事の完了前に締結する建物(代金5,000万円)の売買契約においては、Aは、手付金200万円を受領した後、法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなければ、当該建物の引渡し前に中間金300万円を受領することができない。
- Aが宅地建物取引業者Dとの間で造成工事の完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約においては、Aは、法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる。
- Aが宅地建物取引業者ではないEとの間で締結する建物の売買契約において、Aは当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが当該責任を負う期間は当該建物の引渡日から2年となる。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
♪下記より解答を選んで下さい
正解!
2
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解答と解説
【解答】2(アとエが誤り)
選択肢ア 売主業者Aが宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する宅地の売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間をBがその不適合を知った時から2年とする特約を定めた場合、この特約は有効である。
【答え】誤り
【解説】
本肢は、売主が宅建業者で、買主が非宅建業者なので、8種制限(担保責任の特約制限・契約不適合責任の特約制限)が適用されます。担保責任の特約制限のルールでは、契約不適合責任を負う期間については、民法における債権の消滅時効期間よりも不利な特約を定めることはできません。 そして、民法における債権の消滅時効期間は(1)不適合を知ったときから5年、かつ、(2)引渡しから10年です。 本肢の「不適合を知った時から2年とする特約」は(1)よりも不利な特約なので無効です。よって、本肢は誤りです。本肢は、理解すべき内容があるので、個別指導では、理解学習勉強法を使って解説します!無料講座でも理解学習勉強法の一部を解説しているので参考にしてみてください!
選択肢イ 売主業者Aが宅地建物取引業者ではないCとの間で建築工事の完了前に締結する建物(代金5,000万円)の売買契約においては、Aは、手付金200万円を受領した後、法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなければ、当該建物の引渡し前に中間金300万円を受領することができない。
【答え】正しい
【解説】
本肢は、売主が宅建業者で、買主が非宅建業者なので、8種制限(手付金等の保全措置)が適用されます。手付金等の保全措置のルールでは、建築工事の完了前(未完成物件)の売買契約をするとき、代金の5%(250万円)を超える手付金等を受領するときは、受領前に保全措置が必要です。 本肢の場合、手付金200万円を受領する時点では保全措置は不要です。しかし、その後、中間金300万円を受領する場合、合計500万円を受領することとなるので、中間金を受領する前に500万円について保全措置が必要です。 よって、本肢は正しいです。
選択肢ウ 売主業者Aが宅地建物取引業者Dとの間で造成工事の完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約においては、Aは、法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる。
【答え】正しい
【解説】
本肢は、売主も買主ともに宅建業者です。そのため、8種制限は適用されません。したがって、手付金額の制限は適用されず、保全措置も不要です。よって、本肢は正しいです。 本肢は、関連ポイントがあるので、個別指導では、関連ポイント勉強法を使って解説します!
選択肢エ 売主業者Aが宅地建物取引業者ではないEとの間で締結する建物の売買契約において、Aは当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが当該責任を負う期間は当該建物の引渡日から2年となる。
【答え】誤り
【解説】
本肢は、売主が宅建業者で、買主が非宅建業者なので、8種制限(担保責任の特約制限・契約不適合責任の特約制限)が適用されます。担保責任の特約制限のルールでは、原則、民法の契約不適合責任の規定よりも買主に不利な特約はしてはいけません。 例外として、通知期間を、物件を引渡した日から2年以上とする特約は有効です。 よって、本肢の「契約不適合責任を一切負わない」旨の特約は無効となります。 特約が無効となった場合、民法のルールが適用されるので、売主業者Aが担保責任(契約不適合責任)を負う期間は(1)不適合を知ったときから5年、かつ、(2)引渡しから10年です。です。 よって、本肢は「引渡日から2年」となっているので誤りです。

まとめ 本問は8種制限に関する問題ですが、特に選択肢アとエの担保責任の特約制限がややこしいです。きちんと理解していないと宅建試験で得点できないので、
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