選択肢１ 地価公示法の目的は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を選定し、その周辺の土地の取引価格に関する情報を公示することにより、適正な地価の形成に寄与することである。

【答え】誤り

【解説】 地価公示法は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することを目的としています。一般の土地の取引価格に対して指標を与えるのであって、取引価格を公示することはありません。あくまで公示するのは「正常な価格」です。

選択肢２ 標準地は、土地鑑定委員会が、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められ、かつ、当該土地の使用又は収益を制限する権利が存しない一団の土地について選定する。

【答え】誤り

【解説】
標準地は、自然的・社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況や環境等が通常と認められる一団の土地について選定します。そして、標準地に使用又は収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存在しないものとして通常成立すると認められる価格として正常な価格を計算します。つまり、「土地の使用又は収益を制限する権利が存在する一団の土地についても選定できる」ので、本肢は「土地の使用又は収益を制限する権利が存しない一団の土地について選定する」という記述は誤りです。

選択肢３ 公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる１又は２以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。

【答え】正しい

【解説】
本肢は、条文そのままです。公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる１又は２以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行ない、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいいます。

選択肢４ 不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格又は同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額のいずれかを勘案してこれを行わなければならない。

【答え】誤り

【解説】

不動産鑑定士は、標準地の鑑定評価を行うにあたっては、下記1～3の内容を勘案（かんあん）して（＝考えあわせて）鑑定評価を行わなければなりません。

1. 近傍類地の取引価格から算定される推定の価格
2. 近傍類地の地代等から算定される推定の価格
3. 同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額

上記1～3は、いずれかを勘案するだけでは足りず、全てについて勘案しなければなりません。

まとめ 地価公示法と不動産鑑定評価基準は、毎年いずれか一方が出題されます。地価公示法は比較的簡単なので、出題されたら得点していただきたいです。本問も基本問題なので、必ず解けるようにしておきましょう！一方、不動産鑑定評価基準は、内容自体難しいので、理解できないものも多いと思います。そのため深堀せず、覚えられる範囲で覚えていくのが良いでしょう。