選択肢１ 宅建業者A社の代表者である乙は、宅建士ではないが契約締結権限をもつ代表者であるため、 甲を代理してB社の代表者丙に対し、甲の宅地建物取引士証を提示した上、重要事項説明を行った。なお、乙は宅地建物取引業に30年間携わったベテランであったこともあり、説明の内容に落ち度はなかった。

【答え】違反する

【解説】
重要事項説明を行えるのは宅建士のみです。例外なく、宅建士でない者は重要事項説明を行うことができません。つまり、説明に落ち度がなかったとしても、宅建士以外の者が行えば宅地建物取引業法に違反します。したがって、本肢は、「宅建士でない乙」が宅建士甲を代理して重要事項説明を行った場合、宅建業法違反となります。

選択肢２ 宅建業者A社の従業者である丁は、有効期間は満了しているが、宅地建物取引士証を持っていたため、丁がその宅地建物取引士証を提示した上、B社の代表者丙に重要事項説明を行った。

【答え】違反する

【解説】
宅建士証の有効期間が満了していれば、その人は宅建士ではありません。つまり、宅建士の業務を行うことはできません。したがって、「有効期間が満了している宅建士証」を持っている丁は、宅建士ではないので、重要事項説明を行うことはできません。重要事項説明を行えば宅地建物取引業法違反となります。

選択肢３ 事情を知ったB社の代表者丙から、「自分も宅地建物取引業に長年携わっているので、重要事項説明は契約後でも構わない」という申出があったため、重要事項説明は契約締結後に退院した甲が行った。

【答え】違反する

【解説】
重要事項説明はどんなことがあっても、契約の前にしなければなりません。契約の前に物件に関する重要なことを話すから、意味があるのです。

選択肢４ 事情を知ったB社と合意の上、宅建業者A社は重要事項を記載した書面を交付するにとどめ、退院後、契約締結前に甲が重要事項説明を行った。

【答え】違反しない

【解説】
重要事項説明書を交付した上で重要事項説明をすれば宅建業法違反にはなりません。そして、重要事項説明書の交付自体は宅建士でなくてもよいです。また、重要事項説明は、契約成立前に行えばよいです。そのため、本肢のように「宅建業者A社は重要事項を記載した書面を交付するにとどめ、退院後、契約締結前に宅建士である甲が重要事項説明を行った」のであれば、宅建業法違反ではありません。
ポイントは「重要事項説明書の交付→重要事項説明→契約締結」という順番を守ることです。 

まとめ 宅建業法における重要事項説明は、毎年１問以上出題される超頻出分野です。ひっかけ問題も多いので、たくさん問題を解きながらひっかけポイントを頭に入れていきましょう！