選択肢１ ＡがＢとの間で、Ａ所有の甲建物について、期間３年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した。
ＡがＢに対し、賃貸借契約の期間満了の６か月前までに更新しない旨の通知をしなかったときは、ＡとＢは、期間３年、賃料月額10万円の条件で賃貸借契約を更新したものとみなされる。 

【答え】誤り

【解説】

「存続期間が３年」と決められているので、本肢の賃貸借契約は、期間の定めがある建物賃貸借です。そして、期間の定めがある建物賃貸借では、賃貸借契約の期間満了の1年前から6ヶ月前までに「更新しない旨」の通知をしなかった場合、法定更新され（自動的に更新となり）、契約期間は期間の定めのないものとみなされます。契約期間以外の条件は更新前と同じです。よって、本肢は「更新後の期間３年」となっているので誤りです。

選択肢２ ＡがＢとの間で、Ａ所有の甲建物について、期間３年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した。
賃貸借契約を期間を定めずに合意により更新した後に、ＡがＢに書面で解約の申入れをした場合は、申入れの日から３か月後に賃貸借契約は終了する。 

【答え】誤り

【解説】
期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、契約は申入れの日から６ヶ月を経過したときに終了します。本肢は「３ヶ月」となっているので誤りです。関連ポイントとして、賃貸人からの解約申入れには、正当事由が必要という点は頭に入れておきましょう。

選択肢３ ＡがＢとの間で、Ａ所有の甲建物について、期間３年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した。
Ｃが、ＡＢ間の賃貸借契約締結前に、Ａと甲建物の賃貸借契約を締結していた場合、ＡがＢに甲建物を引き渡しても、Ｃは、甲建物の賃借権をＢに対抗することができる。 

【答え】誤り

【解説】

本肢の流れを時系列にすると下記の通りです。

1. ＡがＣに甲建物を賃貸する（ＡＣ間で賃貸借契約締結）
2. ＡがＢに甲建物を賃貸する（ＡＢ間で賃貸借契約締結）

そして、建物の引渡しはＢに行っています。ここで、建物賃借権の対抗要件は、賃借権の登記もしくは建物の引渡しです。そのため、賃貸借契約は後であっても、Ｂが第三者に対する対抗要件を備えています。したがって、ＣはＢに対抗できないので本肢は誤りです！  

選択肢４ ＡがＢとの間で、Ａ所有の甲建物について、期間３年、賃料月額10万円と定めた賃貸借契約を締結した。
ＡＢ間の賃貸借契約がＢの賃料不払を理由として解除された場合、ＢはＡに対して、Ａの同意を得てＢが建物に付加した造作の買取りを請求することはできない。 

【答え】正しい

【解説】
造作買取請求権とは、賃貸人の同意を得て付加した造作（畳等）について、期間満了または解約申入れによって賃貸借契約が終了するとき、賃貸人に対して、造作を時価で買い取るよう請求することができる権利です。この造作買取請求権は、賃借人に債務不履行（賃料不払い）や背信行為があって賃貸借が解除された場合には、行使できません。したがって、本肢は正しいです。

まとめ 本問は、賃貸借における複数のルールが問題になっています。幅広い知識が必要になりますがすべて重要部分なので、参考書や過去問集を使いながら宅建試験で出題された部分を中心に頭に入れていきましょう！